指使いは守るべきか
子どものころのレッスンでよく先生から言われたことは、指を高くしっかり上げること、そして楽譜に書いてある指使いを守ることだったと思う。
これは、私がこどもだったからかもしれない。ちなみに大人になって、というか年金生活になって、クラシックピアノを再開してから習った先生はいずれも、
「人間の手や指のサイズはひとによってみな、違うのだから」と、楽譜に書いてある指使いにこだわりがなさそうであった。
それとも最近の傾向として、指使いについてやかましくいわなくなったのか? 私にはわからない。
フジコ・ヘミングさんの師匠と指使い
フジコ・ヘミングさんの師匠、クロイツァー氏は、弟子の指使いに大変厳しかったようで、「14歳の夏休み絵日記」では、以下のようになっている。
別れの曲の真ん中のところの指が、クロイツァーの指でしなかったので、やりなほしで大へん。自分の好きな指でやると、「私の指ください!!」又は「わたしのゆびどうぞ!!」と片言の日本語で 雷の如く頭から叱られます
私の先生の場合、そこまできびしくなかったが、楽譜の指使い番号にはよく赤丸が書かれていた。
ワルツ・エチュードの指使いは?
さて現在、私はギロックの「ワルツ・エチュード」を練習中だが、楽譜はネットからダウンロードしたものを使っている。
そのせいかどうかわからないが、4小節目に書かれている指使いは不思議だなぁ、と思っていた。それですぐに、1 3 1 21 から1 2 3 4 1 に変えた。
そこは問題なかったが、なぜか39小節目でよくトチる。シレの和音を3と5の指で弾くよう書かれているが、ふと気が付くと、2と4の指のほうが移動距離が短い。だって、2と4の指はすでに、シレの上にあるのだから。
それで下のように変えた。
結果は大成功だった!ここでトチることはまずなくなったのだ!(その代わり、ほかの箇所でトチるのだが・・・)
ひとはとかく、手書きなら下書きと思って信用しないものの、印刷してあると、それが絶対的なものに思ってしまいがちではないか?
これからは譜面の指使いについては、まず疑い深くいこうと思う。
大人のワルツ・エチュードを目指してはいるが・・・
先生もおっしゃっていたが、ギロックという作曲家の曲がレッスンで使われるようになったのは、けっこう最近のことらしい。そうだろうね。
私がこどもの頃は、ハノン、ツェルニーは別として、ブルグミュラー、ソナチネ、モーツアルト、ベートーヴェンのソナタ、あとはショパン、上級のかたはブラームス、リストでドビュッシーですら、マイナーな存在だった。いまや、YouTubeではギロックを弾きこなすちびっこたちの動画が続々とアップされている。
すごいね、私は仮にレッスン合格しても動画アップできるのだろうか? 大人のワルツ・エチュード、高齢者のワルツ・エチュード? なんかテンポ遅そう。途中でコケたりして・・・