季節ごとに交換したピアノカバー
一昨日、ピアノの調律をしてもらったところで、ピアノカバーというものが気になってきた。
みなさんのおうちでは、ピアノカバーを掛けていらっしゃるのだろうか?
私が子どもの頃、アップライトピアノの上部だけに、夏はレース、冬はゴブラン織のピアノカバーが掛けられていた。
ピアノカバーの選択は、母によるものであり、季節ごとの交換も母の案である。当時はピアノというものは、客人に見せる家具のひとつだったので、居間に置くのが普通だったと思う。
現在よりさらにピアノがブームだった昭和40年代では、阪神間のどこの家庭でもアップライトピアノがあった。
家具、なので当然ピアノの上は飾り皿や、花瓶や、写真立てを置くのに最適な空間となる。当時のウチもピアノの上には、造花、置時計などが置かれていて、それらは両親が健在だった頃の懐かしい情景のひとつである。
失敗だったピアノカバー
1985年にヤマハのアップライトピアノを買ったのと同時に、楽器店のすすめで新しくピアノカバーを購入した。アップライトピアノをすっぽりおおう構造で、表側はクロのポリエステルのようなつるつるした生地、裏側の生地は真っ赤でフェルトのように毛羽立っていた。昔、学校の音楽教室のグランドピアノにかかっていたようなモノである。
ところがこれは大失敗だった。
最初はそうでもなかったのだが、年数がたってくると、裏側の生地からどんどん赤い繊維が抜けてくる。それらは鍵盤の外側、中側に埃となってたまり、調律師さんはまずピアノの中をはずしたら、掃除機で赤い埃を吸い取るのだった。
このピアノカバーは養生に格下げになったのち、養生でも埃のもとになるのでゴミ箱行きとなった(涙)
お気に入りのピアノカバー
次に買ったピアノカバーはネットで買った。ネットで物色しているうちに、ブラウン系の色と高級カーテンを思わせるような曲線が気に入ったピアノカバーが見つかったからである。
毎日弾くとピアノカバーはじゃまだ
ところが、である。仕事をやめてからヒマになったので、ピアノは毎日弾く。連続して弾くと疲れるので、主に午前中1時間~1時間半、そしてまた夕方に1時間~1時間半といったところか。
すると、
- ピアノカバーをはずす
- たたむ
- どこかに置く
- 練習が終わったらまた戻通りに掛ける
この一連の作業がたまらなく面倒くさくなったのだ。省略したくなった私はネットでピアノカバーは本当に必要なのか、を調べてみた。
すると、湿度の高い日本ではピアノカバーをかけると湿度がこもってピアノによくない影響をあたえる、との情報を得た。おまけにウチは六甲山の山あいにあり、湿度が高い地域だ。
夏の湿度は70-80%がふつうなのだ。そんなこんなを口実にして、ピアノカバーを掛けるのをやめてしまった。あ、でもこれは捨ててはいませんよ。気に入っているし、高かったし・・・
ピアノカバーなしで困ってはいないが
薄い湿気のこもらないピアノカバーだと、埃よけにもなり、小さな傷よけになるだろう。
現在、私はピアノの上には何もおかないようにしているが、それでも譜面台においた楽譜、ペン、メトロノームとして使っているスマホのせいでちっちゃな傷がつきやすくなっている。それでもねぇ。ピアノって弾いてなんぼでしょ。
大事に扱うのは大前提だが、飾りとして置いておくより、弾いて弾いて、弾きまくったほうがピアノも喜ぶと思うのだが。というわけで、ウチのピアノちゃんは現在「裸」状態。夏はこれでいいが、冬になると服を着せてくれぃと文句を言うかもしれない。