「耳コピ」ということばはいつから?
90%以上の確信をもって書くのだが、私がジャズピアノのレッスンに通いはじめた1970年代には、「耳コピ」という言葉は存在しなかった。
現在、使われている「耳コピ」という言葉は、音を耳で聞いて、それを楽器で再現することだと思うのだが、この解釈であっているのか? いちおうwikiで確認してみた。
ほっ、あっているみたい。では「耳コピ」ということばがなかったウン何年前には、どう言ったのか? そのころは耳で聞いて、採譜して、それを楽器で再現するところまでを含めて、「コピー」「コピーする」とか言っていたと思う。多分、「コピー=まねる、模写する」から来ているのだと思うのだが。
カセットテープとレコーダーの時代
1970年代の音源の代表選手はカセットテープとそのレコーダーだった。
コピーしたいなあ、と思うプレーヤーのレコードから曲を選び、それをカセットテープに録音する。私なぞは1フレーズどころか、ほぼ1小節進んだところで、レコーダーの停止ボタンを「ガチャッ」と押し、耳でとらえた音を五線紙に書く。
こんどは約1、2秒巻き戻しボタン「ガチャッ」を押して、また停止ボタンを「ガチャッ」と押す。そして再生ボタンを「ガチャッ」と押す。自分が書いた音符があっているかどうか、確かめるためである。
とにかく「ガチャッ」「ガチャッ」の繰り返しだ。当然のごとく、レコーダーの寿命は短く、ときにはカセットテープのテープがつまって無理に取り出そうとするとびろんびろんになり、使い物にならなくなる。
でもそんなものだと思っていたから、機械に当たり散らそうとは思わなかった。アドリブができるようになるには、コピーが最短で最強の方法だと信じていたし、なにより当時の私はうまくなりたかったのだ。
最近、昔書いたびっしりと細かい文字で採譜した音楽ノートを見返したが、今よりもずっと几帳面だった自分に出会い、懐かしさ半分、情けなさ半分といった気分だった。
なぜなら、それほど自分なりに努力したにもかかわらず、コピーは弾けるが、当時は自分のアドリブはほとんどできなかったからだ。
mimi copyの使いやすさに驚く
老眼なので本音を言えば、あまりスマホを使いたくないのだが、コピーをするにはmimi copyというアプリが便利だ、というレビューをみて私も人並みにインストールしてみた。そして驚いた。このアプリはとても賢くて、以下のことが軽々できるのだ。
- 速度を自在に変更できる
- 速度を変更しても、音の高さは変わらない
- 巻き戻しの段階を-5、-10、-15から選べる
私のmimi Copy
無料でないのが玉にキズかもしれないが、昔のことを思えばそこまでは望まない。
1970年代にタイムスリップして、悪あがきしていた当時の私に贈ることができたらなぁ。
さぁ、これで鬼に金棒、ジャズを勉強するにはこのアプリを羅針盤のごとく常に携えて、前に進めばいいと思った。ところが・・・現在の私は、これを常に使っているとは言えない。その理由はまた別の記事に書くことになると思うが。
ピアノロールのソフト?
これだけ世の中の技術が発達してきたら、自動で採譜してくれるアプリもそのうちできるのではないのだろうか? ひょっとしてもう、あるかも?
ちょろっと調べたところ、ピアノロールにしてくれるソフトはありそうだ。ピアノロール? あんな目がちらちらするようなもの、高齢者に受け入れられるの?これからは高齢者が多数派の世の中なんだよ! これについてはまだ調べてみないと、残念ながら何も書けない。