夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

今冬、踊ればエネルギーの心配なし?

 

ヨーロッパとロシアのガス

月に2回、通っているフランス語個人レッスンでは、月ごとにお題を出す順番を替えている。

つまり、8月は先生がお題をだしたので、9月は私の番なのだが、すでに「ブルース・リウさんのフランス語インタビュー」についてやった。

先日は、もうちょっとまともなお題、すなわち、「ヨーロッパはロシアのガスがなくてもやっていけるのか?」(L'Europe peut-elle se passer du gaz russe de Poutine?) を取り上げた。

本題にはいる前に、私はムッシュー先生に、「今年の冬はヨーロッパでは、ロシアからのガスが期待できないから、みんな寒い思いをしないといけないって本当ですか?」と聞いた。

すると先生は、「ああ、でもその問題はね、アリとセミだからね 知ってるでしょ?アリとセミの話?」

え、アリとセミ? アリとキリギリスなら知ってるけど??

フランスでは「アリとセミ

日本で知られているイソップの寓話、「アリとキリギリス」はフランスでは「アリとセミ」なのだった。Wiki によると、こうある。

ヨーロッパ北部では(セミは)あまりなじみがない昆虫のため、ギリシアからアルプス以北に伝えられる翻訳過程で改変(翻案)された。日本に伝わった寓話はアルプス以北からのものであるため日本では主に『アリとキリギリス』で広まっている。

私は昆虫が苦手なので、この際、セミかキリギリスかはあまり問題ではない。本題のヨーロッパ、ロシアのガスがどうして「アリとセミ」になるかということなのだが・・・

ムッシュー先生によると、これまでヨーロッパ諸国は、ガスというエネルギーの大切さをわかっていながら、長年その供給をロシアに依存し、経済発展を謳歌してきた。

今になってウクライナ侵攻でロシアとの関係が悪くなってから、エネルギーの欠乏を心配するなら、それは夏中歌って暮らしたセミ=キリギリスと同じだ、ということらしい。

え、それなら日本も同じじゃないですか? でも日本は、かつてフランスの首相から、アリ(la fourmis)呼ばわりされましたよね? だんだん、わけがわからなくなってきた。

シャルル・トルネの「アリとセミ

甘い歌声で一世を風靡したシャンソン歌手、シャルル・トルネ(1913-2001) は文字通り、「アリとセミ」という歌を歌っている。その歌によると、

セミは夏中、歌って楽しく暮らしていた。しかし、寒い冬がやってくると、食べ物に困ったため、お隣のアリに食料代を貸してください、と懇願した。

セミは言った。「新シーズンがくるまで、なんとか食いつなぎますから、当面のおカネを貸してください。8月前にはお返ししますから」

アリは言った。「セミさん、あなたは夏中、何をしていたのですか?」

「夏ですか?夏はずっと歌っていました」

「それはよかったですねぇ じゃあ、今はもう踊ってください! さあ踊った、踊った!」

 

www.youtube.com

 

カイロを貼って踊ることにしようか

シャルル・トルネの歌の歌詞をまともに受け止めれば、夏の間のお楽しみを後悔するどころか、もうやけくそで「毒を食らわば皿まで」ということらしい。

今のところ、日本では冬の燃料危機に警鐘を鳴らすところまできていないようだが、もしガス代が想定外に値上がりすれば??カイロを貼って踊ることにしようか。