夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、66歳ゆめこの迷走記録

ブラームスのメロディが胸に迫る「さよならをもう一度」

 

 

ブラームス交響曲第3番第3楽章がテーマの「さよならをもう一度」

「さよならをもう一度」(Goodbye Again) は、フランソワーズ・サガンの小説「ブラームスはお好き」(Aimez-vous Brahms) を映画化したものだ。

20年くらい前までは、サガンは日本でも人気作家で、どこの書店でも彼女の本が置いてあったから、当然私は「ブラームスはお好き」も読んでいた。読んだ当時は、パリで繰り広げられる、ブルジョワ大人の恋愛事情に憧れの念を抱いただけだった。

ゆえに、この映画版の音声がフランス語でなく、英語であるということで、私は一も二もなく不合格点をつけていた。フランス語でなくして、どうしてあのパリの雰囲気がでるだろう?と思ったからである。

映画で使われていた、ブラームス交響曲第3番第3楽章の、甘く切なげなメロディーが大好きだったのもかかわらず、である。

ブラームス交響曲第3番第3楽章使用のテーマ曲はこちら↓

 

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YouTubeでみる映画「さよならをもう一度」

最近、この映画を観る気になったのは、YouTubeで全編がアップされていたからである(残念ながら日本語字幕はないが)。

タダというのは本当にありがたいものだが、見終わった感想としては、この映画はおカネを払ってみても後悔しないかも、と思ったほどだ。

それほど、アンソニー・パーキンスの演技が素晴らしく、イヴ・モンタンもはまり役、イングリッド・バーグマンの気品ある美しさが堪能できる、大人の恋愛映画なのだ。

さて、そのあらすじは、というと・・・

インテリアデザイナーのポーラ(バーグマン)は40歳。ロジェ(モンタン)という同年代の恋人がいるが、彼女が望むようには愛してくれないので孤独を抱えている。

そんなとき、金持ちの顧客の息子で、25歳の美青年、フィリップ(パーキンス)と知り合う。フィリップは年齢差にまったく躊躇することなく、彼女を熱愛する。最初はためらっていたポーラもその情熱に負け、またロジェの浮気が発覚したことから、一時はフィリップの胸に飛び込むのだが・・・

映画「さよならをもう一度」の全編はこちら↓

 

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映画と小説の相違点

映画と小説では、登場人物の名前、ポーラの年齢(小説では39歳)など、細かい点についていくらか違うところがあるが、大きく違うところがひとつある。

それは、映画では最後のほうでポーラとロジェが結婚することである。それだけなら、ハッピーエンドなのだが、実際はそうでもないのだ。

「やれやれ、ポーラの孤独は決して解消されることはないだろう」と、観ている者に思わせるラストシーンがある。そうすると、全編に流れるブラームス交響曲3番第3楽章のメロディーは、ただ甘く切ないだけでなく、もっと深い何かを語りかけてくれるような気がする。

マクロン夫妻には勝てない

中年を過ぎた女性が来るべき老いに怯え、中年の男と若い年下の男のあいだで揺れ動く、といった図式はさほど珍しくないように思う。ひょっとしてサガンがこの先駆けを作ったのかもしれないけど。

たしかに1961年では、いくらパリでも、40歳の女性と25歳の男性の恋愛は珍しくスキャンダラスだったのだろう。ところが、いまや24歳の年齢差があるフランス大統領マクロン夫妻の出現で、15歳の年齢差は霞んでしまったように思う。

さて、今後マクロン夫妻を超える年齢差カップルが現れるのかどうか?