私の家族と中華料理の縁
以前、「神戸元町別館牡丹園と老祥記」という記事で、私の家族と中華料理はきわめて縁が深いことを書いた。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
この2店以外でも、たとえば祖父母が主催の親戚縁者が集まる忘年会、あるいは新年会では御影の蘇州園が多かった。
ここはお庭がすばらしく、祖母がことのほか気に入っていたようだ。
今は結婚式会場で使われることが多いようで、それ以外では入れるのか?
そして友人たちとの会食とか、学校関係の宴会では神仙閣をよく利用した。
中学校の還暦祝い同窓会もここで行われたのだ。
大阪や東京では中華料理が食べられなかった
そういうなかで育ったのだが、後年、大阪や東京の会社で働きだすと、かの地では人はあまり中華料理というものを食べないのだ、という感想をもった。
たまたまかもしれないが、1年弱勤めた大阪の会社での宴会は、水炊き、うどんすきなど鍋料理が多かった。
こういう場所では女性社員が気をきかせて、ほかの人の分も取り分けてあげないといけないから(今はそうでもないのかもしれないけど)、気が利かず、不器用な私には針のむしろで、料理の味などわからず、宴会は苦痛なだけだった。
東京では20年以上会社勤めをしたが、中華料理での宴会経験は皆無。
神戸の中華料理店のように他の人に取り分けてあげる必要のない円卓で自分の好きなものだけ食べたい、とよく思ったものだ。
食べていた中華料理は日本人向けのものらしい
このように中華料理通だと思っていた私だが、実際、コース料理は別として、単品で頼むときは、酢豚、春巻き、芙蓉蟹、海老チリ、麻婆豆腐などが主だったから、こういうのは日本人向きに味付けされた日本人向けの料理なのではないだろうか?
だから、新語・流行語大賞にもノミネートされた「ガチ中華」とは似て非なり、というものになるのか?
どうやら私が食べていたのは、日本風中華料理だったのかもしれない。
ガチ中華の食材とは?
ガチ中華とは、そもそも食材からして私が食べたことのないものが多そうだ。
鴨の血、豚の脳味噌、ナマズ、ザリガニ・・・
こういった食材の名前だけ見て、おいしそう~~と思うグルメ、食通のかたもいらっしゃるだろう。
だが、私はちょっと尻込みしてしまう。
ましてや、いつでもお腹がすいていた20代のころと違う。
それが何であるか知らないうちは、一口二口食べられるかもしれないが、もし知ってしまったら!
昔見た映画、「インディー・ジョーンズ」の世界を体験することになるのか?
世界の人口逆流現象?
反面、面白いな、と思うのは、ガチ中華のそもそもの原因は、日本に住む中国人がこの20年で2倍近くに増加したことで、70万人を突破したらしい。
その昔、といっても私の父の世代だが、一旗揚げたい人は「大陸」つまり満州(中国)に渡ったのだよね。
それが近ごろでは逆になっている。
フランスもそうだ。
出生率が高く、その点で日本が見習うべきところはたくさんあるらしいが、そもそも出生率が高いのは、かつて多くの植民地を抱えたアフリカ大陸からの移民だけ、という話もある。
そしてイギリス。
かつての大英帝国はインドを支配したが、そのインド出身の首相があらわれた。
ガンジーさんは草葉の陰で随喜の涙を流しているだろう。
世の中の流れは面白い。
私は基本的にあまり長生きしたくない、と思っているが、その変化をみるためだけ、あるいは死後の世でも、この世の変遷を傍観できたらいいなぁと心から思う。