夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、66歳ゆめこの迷走記録

ドラマチックな「マイ・ウェイ」より「Comme d'habitude(いつものように)」が好きな理由

マイ・ウェイ」は苦手だった

私がラウンジやクラブでソロピアノを弾いていた1980年代、リクエストが多かったのは、「愛の讃歌」「ミスティ」「想い出のサンフランシスコ」など、いわばスタンダードなポピュラーソングだが、それらを抑えてダントツNo.1だったと思う曲はなんといっても、「マイ・ウェイ」だと思う。

私は「マイ・ウェイ」が苦手だった。ほとんど嫌いだったといってもよい。なぜかというと、出だしはmpで右手単音、左手アルペジオでなんとかなるが、サビからの盛り上げ方をどうするかがアタマの痛い問題だったからだ。右手はオクターブで盛り上げていくとして、左手は?チャイコフスキーのピアノ協奏曲のように、ダン!ダン!ダン!?ちょっとうるさすぎやしないか?

ちなみに、私はそのころ、「マイ・ウェイ」が「Comme d'habitude(いつものように)」のカヴァーだったことも知らなかったし、クロード・フランソワ自体知らなかった。知っていたらもうちょっと違うアイデアが出たかもしれない。

シナトラと布施明による「マイ・ウェイ

マイ・ウェイ」をカヴァーしている歌手はあまたいるが、そのなかでも世界的によく知られたのはフランク・シナトラ。そして日本人ではやっぱり、布施明ではないだろうか?

どちらのカヴァーも、実力派歌手が堂々朗々と歌い上げ、歌詞からくるイメージは、「人生」「信念」「真実一路」「この道一筋」といった成功者の匂いがぷんぷんする。

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オリジナルのクロード・フランソワ

クロード・フランソワは、時代からいってフランスでは、日本の沢田研二と同じくらい絶大な人気を誇った歌手だったが、39歳で感電死というあっけない最期を迎えている。

彼の「Comme d'habitude(いつものように)」は、倦怠期というほどでもないけれど、ラブラブ期間を過ぎた男女の何気ない日常を切り取ったかのようで、「あるある感」に溢れている。思わずくすり、と微笑まずにはいられない。

私には成功者の信念宣言よりも、普通の人々の描写のほうがしっくりくるから、こちらのヴァージョンのほうが気に入っているのだ。

Comme d'habitude(コムダビテュード)

Je me lève et je te bouscule
Tu ne te réveilles pas comme d'habitude
Sur toi je remonte le drap
J'ai peur que tu aies froid comme d'habitude
Ma main caresse tes cheveux
Presque malgré moi comme d'habitude
Mais toi tu me tournes le dos
Comme d'habitude

起きた僕は君を押しやる

でも君は目覚めない いつものように
掛け布団を引き上げてあげる
君が風邪をひきはしないかと心配だから

いつものように

僕の手が君の髪の毛を撫でる
ほとんど心にもないことだけど 

いつものように
だが君は寝返りをうって僕に背を向ける
いつものように

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クロード・フランソワの不可解な行動

でもなぜ、クロード・フランソワはこの歌の権利を、それも無償でポール・アンカにあげてしまったのだろう?

ちょっと万人受けがするように、特に歌詞を書き直せば、世界的ヒットになるとは思わなかったのだろうか? 彼が亡くなったのは1978年だが、シナトラやプレスリーによるカヴァーが世に出たのは1969年だから、当然これらの大ヒットを知っているはずである。

それについてクロクロ(クロード・フランソワの愛称)がどう思っていたかを調べるのが、今後の私の楽しみの一つである。