バッハコンクール後、はじめてのレッスンへ
先日受験したバッハコンクールの結果は、先生にはすでにメールでお知らせしていたが、やはり詳しく報告するのが筋道かと思い、「奨励賞の賞状1枚」「採点票3枚」「菓子折り1個」の3点セットを準備の上、レッスンにお伺いした。
採点票をお見せした結果は、意外に淡々としたもので助かった。淡々というのは、私が過去に大手英会話教室に受付として勤務していた時代、英検やTOEICに不合格、または不本意な成績で終わった生徒に対し、「よくがんばったのにねぇ~~」「残念ねぇ~~」とある意味、過剰なぐらい日本人講師が反応していたことに慣れ切っていたからかもしれない。
採点票をみた先生の反応
今回、クラシックピアノの先生は、採点票の先生名を見ながら、「みんな知っている先生がたなのよ」といいながら、「F先生ってやっぱり優しいのね」「N先生はわざわざ東京から来られたのね」とつぶやいておられた。なんだかクラシックの世界って、私の知らない、仲良しでつながっている世界なのかなぁ。
私からの感想としては、以下をお伝えしたのが、先生は笑っておられた。だって、私にとってはこれでも「はじめての景色」だったんですよ!
- みなさんのレヴェルの高さにびっくりした。世のなかにはこんなにたくさんピアノが上手なひとがいるとは知らなかった。
- 参加者の服装が華やかなのでびっくりした(普段着でステージにあがったことは内緒)
「それでもあなたをバッハをやるか?」と問われた気がした
そのあと先生からお話があったのは、
- シンフォニアはむずかしい
- インヴェンションやシンフォニアをきちっと勉強しないと平均律へ行けない
- バッハはごまかしがきかない
- バッハに求められていることはものすごく集約されていて地味な作業
- 2小節ずつ吟味するマニアックな世界だから、そこまでしたいかどうか
- コンクールではどういうことが求められているかをわかったうえで、それをやりたければその方向でいきましょう
以上のコメントはボイスメモに録音したものを拾い書きしたものだが、正直ようわからん。要するに、「それでもあなたはバッハをやるのか?それほどあなたはバッハを愛してるのか?」と聞かれているような気がした。
映画「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」
バッハへの愛の試金石として、1968年の映画「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」をごらんになってはいかがだろうか?私がこの映画をみた理由は、YouTubeで無料で観られ、日本語字幕付きであることと、80%以上のユーザーが高く評価していたからである。
見た結果・・・けっこう退屈した。画面を見ずに、なにか手作業をしながら、音楽だけ聴いていればまだましなのかもしれないが。
これはドキュメンタリー映画なのだが、トップクラスとはいえないバッハの作品の演奏と、無味乾燥なバッハの妻、アンナの朗読からなりたっている。人間バッハの匂いはほとんど感じられない。神に捧げる音楽を追求したバッハ像を描くために、あえて消してあるのか?
それでもレビューの高評価をみると、この構成、白黒の世界、カメラワーク、淡々とした朗読がいいそうだ。この方たちは真にバッハを愛する、筋金入りのバッハ主義者なのだろう。