JazzではなくJazzyなのか?
ここ数週間はバッハコンクールのせいでジャズピアノの練習があまりできていなかった。そのせいでもないと思うが、先日のジャズピアノの先生の批評は、いつもより辛口であったと思う。
12月25日に予定している発表会のために、「Who can I turn to?」と「Chelsea bridge」を弾く予定なのだが、先日はいつものように、私がひととおり弾き終わった後、「うまい、うまい」「ほんまにうまいわ」「かなり実力あるわ」と誉め言葉をおっしゃった。しかし、そのあとが問題なのだ。先生の場合、誉め言葉は辛口批評の枕詞みたいなものであることが、習いはじめて1年経ってわかってきたのである。
それでは先生の辛口批評とはどういうものか?私としては、できればクラシックピアノのように、「何小節目のミソラーをもっとレガートに」、とか「ここはもっと内声の音を聞かせて」とかわかりすーく、こまかーく言ってほしいのだが、ジャズの本質のせいなのか、先生の表現のせいか、私には辛口批評の本質がよく理解できないのだ。とりあえずことばだけを並べると、
- このイントロやったら誰も(ベースもドラムも)出られへん
- 家の壁の色や模様にばっかり気を取られていて、骨組みができていないようなもの
- もっとガツンという音がでなあかん(タッチの問題?)
とかなり根本的なところに問題がありそうなのだ。つまり私の弾いているのはJazzではなくJazzyということか?まったく恐れ多くも、先日の記事で布施明のジャズを「ジャズであってジャズでないような気もする」と天に唾するようなことを書くからこういわれるのかもしれない。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
青江三奈をご存じですか?
このブログにたまたま訪問してくださったかたのなかで、歌手、青江三奈をご存じのかたはどれくらいいるのだろう?
彼女が独特のハスキーヴォイスで、演歌や歌謡曲のヒットを次々に飛ばしたのは1960年代後半だし、残念なことに2000年に59歳で亡くなっている。あまりにも早すぎる死であった。
私は演歌ファンであったことはないし、青江三奈のことがしっかり脳にインプットされているのは、昔コンビレモンリンスという商品のCMで、つやつやの外巻カールを披露していたからである。このCMが懐かしく、かなりYouTubeを探したのだが、見つけられなかった。
ヘレン・メリルの「You'd be so nice to come home to」と聴き比べ
ヘレン・メリルという白人ジャズ歌手がいるのだが、彼女は「ニューヨークのため息」と謳われ、1960年代から絶大な人気を博したようである。
私がジャズに凝り始めた20代の頃、黒人女性歌手の声はちょっと重すぎてあまり好みにあわなかったのだが、ヘレン・メリルの声は私の好みにドンピシャリで、彼女のレパートリーNo.1の「You'd be so nice to come home to」はそれこそ何回聴いたかわからないくらいなのだ。
ところが・・・いつ知ったのか忘れたが、この歌を青江三奈が歌っているのを聴き、あまりにヘレン・メリルの声に似ているので一驚した。
そうだ! 青江三奈はジャズも歌い、ジャズのアルバムも出しているし、アメリカでライブもおこなっていたのだ!
青江三奈がもっと長生きしていたら?
青江三奈がもっと長生きしていたら、演歌・歌謡曲・ジャズとジャンルを問わずもっと活躍してくれただろうに・・・ところで、彼女にはジャンルによって歌い方を変えるなどの苦労はなかったのかなぁ。不思議だ。
全盛期の頃、彼女が「伊勢佐木町ブルース」で「アァ、アァ」とため息を漏らすのが、お色気過剰と言われたものなのだが、子どもだった私にはよく意味がわからなかった・・・コンビレモンリンスのCMと同じく、懐かしい思い出でである。