夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

好きな歌手、嫌いな歌手と日仏思い出のメロディー

フランシス・カブレル(Francis Cabrel)

セリーヌ・ディオンはお好き?

きょうは昨日の記事が終わらなかったので、続きである。ピアノの話でもなく、クラシック音楽の話でもなく恐縮なのだが・・・

耳について離れない音楽について、フランス語のムッシュー先生がバッハトッカータとフーガを挙げた。そのあとどういう展開でそうなったのかを覚えていないのだが、好きな歌手、嫌いな歌手という方向に会話が流れてしまった。

驚いたことに先生は、セリーヌ・ディオンが嫌いだそうだ。正確に言えば、フランス語で「Je n'aime pas Celine Dion.」(私はセリーヌ・ディオンが好きではない)になるのだが、その語句を発するときの先生のしかめ面、頭の振り方からみて、好きではない➡嫌い、に近そうだ。日本語では最近、どなたがはやらせたのかしらないが、〇〇が苦手、というオブラートに包んだ表現があるが、それとは別物で日本語字幕を入れるとしたら「キライだ!」になりそうである。

しかし、セリーヌ・ディオンと言えば、希代の歌姫ではないか?私の意見からすると、バーバラ・ストライサンドと双璧をなす実力派女性歌手である。ひょっとして彼女のケベック訛が気に障るのでは? 「それはもちろん」といいながら、「彼女の声の criante (わめく、耳障りな音)なのがイヤ」とおっしゃる。「タイタニックのテーマも最初のうちはいいが、後のほうになるともう我慢できない」って。そうかなぁ。私には最高の盛り上げ方だと思うのだが。

先生のイチオシはバルバラ

それでは先生のお気に入り歌手は誰だろう? 答え。バルバラだそうだ。私は名前ぐらいしか聞いたことがなかったので、正直にそういうと先生は「L'aigle Noir」(黒い鷲)の動画を見せてくれた。なるほど、いい声というか、いい曲である。フランス語と日本語の字幕がはいっているのを見つけたので、私も歌ってみようと思う。

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尚、日本では岸洋子さんがカヴァーしている。聞いてみたが、私にはバルバラよりステキな声に聞こえた。こういっちゃ語弊があるのかしれないが、さすが東京芸術大学声楽科卒だと思ってしまった。

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私の思い出のメロディー、「プティット・マリー」

忘れられないメロディーというのは、各個人が抱えている想い出によって違う。先生は「Yumekoがフランスにいたときによく聴いて、忘れらない曲は何ですか?」と聞いた。私は即座に、フランシス・カブレル(Francis Cabrel) の「プティット・マリー」( Petite Marie) と答えた。これは1990年代の初め、フランスでは至る所で耳にした曲だが実にいい曲である。先生も「これはフランス人なら誰でも知っていますね」と満足気だった。

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ムッシュー先生の思い出のメロディー、「月を超えろ」

ところで先生が日本に来たのは多分今から20年ほど前だと思う。日本に来てから初めて日本語を習い始めた先生は、「今夜二人で~~」から始まる曲が忘れられないそうだ。ところが題名とか、歌手の名をあろうことか覚えていらっしゃらない。必死でYouTubeを探し回って(あのぉー、フランス語のレッスン中なんですけど)、それがやっと奥田民生の「月を超えろ」であることがわかった。

奥田民生? 月を超えろ? 今夜二人で

悪いけれど私は全然知らなかった。多分私がもの知らずなのだろう。こういうことはよくあるので全然びっくりしないが。先生につきあって聴いてみたが、全然ダメだ。どこがいいのか、さっぱりわからない。彼の声からしてダメだ。もう一度聞きたいとも思わない。やはり想い出のメロディーとは、とても個人的なものなのだ。他人と共有することはむずかしい。