夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

バッハシンフォニア3番のフレージング間違いはソフィア・ローレンのCMのせい?

わが家にて

シンフォニア3番は充分準備してレッスンに臨んだ

発表会が終わったら、次の曲は何にしようかーこれは比較的早い段階からアタマのなかにあった課題であった。そして普段から何事にも準備のよい(?)私は、バッハについてはシンフォニア3番をやろうと心に決めていた。今の先生になってからシンフォニアは1,2番と進んだし、3番をチラっと弾いてみたら、なかなか明るくて親しみやすいメロディーだと思ったのだ。そして合格までのレッスン回数を3回、つまり3回目のレッスンで合格することを目標に、YouTubeの分析講座もしっかり見て万全の態勢でレッスンに臨んだはずだった。

先日のレッスンでのシンフォニア3番

さて、先生宅のヤマハグランドピアノの前に座って、できるだけ丁寧に弾こうと試みた私は思いもかけないところ、つまりしょっぱなのテーマで完全なダメだしを食らうことになってしまった。フレージングがまったく違っていたのだ。先生が言うのには、タララッタラ タララッタラ タララッタラ。ところが私が弾いたのは、タララッタ ターララタッタ ターララタッタ。これじゃ何のことかさっぱりわからないよね!下記の画像でお判りいただけるだろうか?

左:正                   右:誤

こういうフレージングというか、アーティキュレーションの誤りはインヴェンションをやっているときから多発した。正しいものを習うたびに、「へぇ~~ バッハ先生はそうくるのか!」と目からうろこだった。シンフォニアにはいってからあまりそういうことはなくなったかなぁ、と自分の進歩に目を細めていたのだけれど、なんや全然直ってへん。ひょっとして私の考えるリズムがバッハ先生のと根本的に違うのだろか?それにしても分析講座を2つも聴き、準備万端だったはずである。私の耳は何を聴いていたのだろう?ひょっとして私の脳にはタララッタかラッタタか知らないが、何かもう埋め込まれたリズム、フレーズがあるのではないだろうか?

私の脳には「ラッタッター」が埋め込まれているのでは?

つらつら考えると、原因は昔よく見たテレビのCMにあるのではないか、と思い至った。そのCMの対象商品は「ロードパル」であり、Wikiによると、「本田技研工業が1976年から1983年にかけて製造販売していた排気量50ccの原動機付自転車のブランド名である」。

そのCMには国際的に知名度が高いイタリアの女優、ソフィア・ローレンが起用され、彼女がCMのなかで、「ラッタッター」と言いながらバイクに乗る姿は、当時誰もが見るテレビで繰り返し放映されたため、私たちの脳に完全に定着したと思う。私はそのバイクがロードパルという正式名称を持つとは知らなかった。その商品は「ラッタッター」という名前であると思い込み、友だち同士の会話でも、「あれラッタッターちゃうん?」「ほなら、ラッタッターに乗ったらええやん」と言い合ったものである。

ソフィア・ローレンには明るいイタリアのマンマが似合っている

ところで、運転免許はとったものの、クルマを持つことなく、自転車にも乗らず(神戸は坂だらけだから自転車には向かない、という言い訳がある)、それではラッタッターを買えばよかったかもしれないが、なぜか私の購買意欲は乗り物には向かなかった。よって私の脳には「ラッタッター」というリズム、フレーズだけが残ったのである。

YouTubeソフィア・ローレンのCMを見つけたので、ご存じなかったかたはぜひご覧いただきたい。このなかではソフィア・ローレンはいかにも料理好きなイタリアのマンマを演じ、悲恋の反戦映画、「ひまわり」の主人公とはまた違った顔を見せている。いや、どちらかと言えば、この女優さんには底抜けに明るいマンマのほうがお似合いだと思うのだが。しかし、私の脳に埋め込まれた「ラッタッター」、これ、何とかならんか?

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