夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

小曽根真さん&角野隼斗さんの夢のセッションが夢を見せてくれた

角野隼斗さんと小曽根真さん

気づくのが遅すぎた!小曽根さんと角野さんの対談&セッション

きょうの記事のお題は、私が気づくのが遅すぎた、でもクラシックとジャズの両立という夢をみるのは今からでも遅くはない、と思うに至った小曽根真さんと角野隼斗さんが対談&セッションをされた動画である。なんでもこれは角野隼斗さんのラジオ番組らしいのだが、私は今まで、彼の大ファンというわけもなかったので、詳しいことはわからない。ただ2021年の2月に収録されたものらしいので、「ああ、知るのが遅すぎた」と思うのはこのゆえんである。

この動画がなぜ私に、クラシックとジャズの両立という夢を見せてくれるかというと、以下の内容に心奪われたからだ。

  • 小曽根さんと角野さんという、専門分野の違うピアニストがお互いに尊敬しあっていることがよくわかる。
  • 「モシュコフスキー20の小練習曲」についての小曽根さんの思い出 (05:04~)
  • 小曽根さんと角野さんがバッハのメヌエットで夢のセッション(14:24~)
  • 小曽根さんが脱帽する角野さんのジャズセンス

小曽根さん絶賛の「モシュコフスキー20の小練習曲」

小曽根さんは5歳のときにピアノをはじめたが、バイエルの楽譜をみてあまりに子供っぽいのに幻滅し(ジャズピアニストだったお父様のスコアを見慣れていたため)、やめてしまった。しかし12歳のとき、来日したオスカー・ピーターソンの演奏をみてから発奮し、あらたな先生(神戸のフランス人神父様だって!私も習いたいよ!)のもと、ピアノレッスンを再開する。ところが、小曽根少年、「ハノンはやりたくない」と宣言したそうだ。そこで「ハノンが嫌なのなら」と先生が勧めてくれたのが「モシュコフスキー20の小練習曲」ということなのだ。小曽根さんはこの練習曲集を「全部ステキな曲」と絶賛している。えー!そんなの聞いたら絶対買わずにはいられない!私もやるぞ!

小曽根さんと角野さんがバッハのメヌエットで夢のセッション

お次はせっかく目の前にピアノがあるので、ということで始まった夢のセッション。これがすごい!めちゃくちゃ楽しい!

お題はバッハメヌエットなのだが、小曽根さんは「僕、全部は知らんねん」とおっしゃる。そこで角野さんが中間部を弾いてあげて、その手元を見ていた小曽根さん、「あ、わかったわかった」とばかりに始まったのだが・・・

まず1コーラス目は角野さんがリードし、オリジナル尊重で。次は小曽根さんのアドリブがドライヴする、角野さんがジャズのバッキングで応酬。次いで角野さんもブロックコードでアドリブ、小曽根さんの変則的なリズムが圧巻。そして最終コーラスはクラシックっぽいかわいらしさ、でもエンディングは不思議なテンションコードでTHE END。

お二人ともとっても楽しそう! そして「バッハは怒ってへんと思うよ、きっと喜んでるよ」という小曽根さん。私もそう思います!

角野さんのジャズセンスに小曽根さんが脱帽

最近ではクラシックのピアニストでもジャズを弾かれる方は珍しくない。しかし、なんか違うな~という気がするので、以前このブログでも書いた。

kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com

このなんか違うな~というのを、小曽根さんは、関西以外の出身の役者さんが、役柄上仕方なく話す関西弁、に例えていらっしゃる。これはいいえて妙だと思った。演技をして、せりふを覚えるだけで大変なのに、そのうえ関西弁まで習得せねばならないのなら、あまりにも大変だと思うので、糾弾するわけではないが、やはりネイティヴ関西人としてはそういうのを聞くと居心地が悪くなる。

たいていのクラシックのピアニストもジャズを弾くと、これとほぼ同じ現象がおこる。弾いている音符に問題はなくてもリズムというか、ノリが違うのだ。ところが小曽根さんは、角野さんのジャズを評して、「これほどジャズの匂いを感じさせるクラシックのピアニストはいない」と絶賛する。角野さんは相当嬉しかったのではないだろうか。

このほか、話題はヤマハスタンウェイの違い、演奏と作曲との活動を両立させるには?と音楽ファンには垂涎の話題が満載の動画だ。今からでも遅くない?ごらんになっていないかたにはぜひおすすめしたい。

www.youtube.com