夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

モシュコフスキー4番からロシア国歌、そしてパッヘルベルのカノン

「モシュコフスキー20の小練習曲」の4番が好きな理由

最近、「モシュコフスキー20の小練習曲」に凝っていて毎日欠かさず弾いて楽しんでいることは何回か記事にしている。

そのなかでも特に4番がお気に入りで、なぜかというとロシア国歌に似ている部分があるからだ。さて、きょうびの時局からいって、ロシア国歌がどうのとかピロシキボルシチチャイコフスキーがどうのとかもあまり話題にしてはいけないのかなぁと思ったことはあった。しかしね。私のブログなんぞ、当局(どこにあるのかしらないが)はハナにもひっかけないに違いない。気にすることもないのだ、多分。というわけで、ここではどんなに私が子どものときからロシア国歌に心惹かれたかがコトのはじまりである。

ソヴィエト国歌に心奪われた東京オリンピックの思い出

1964年の東京オリンピックでは私は小学2年生だった。毎日手に汗を握りテレビにかじりついていた私がことのほか興味があったのは、国歌演奏と国旗掲揚だった。

当時は冷戦時代。多くの場合でアメリカかソ連の国歌が演奏されるのだが、私はそのときからソ連の国歌のファンだった。ソ連崩壊で一時的に国歌が代わったとき、私はどれほど落胆したか。しかし奇跡(?)が起こり、2000年からこの荘厳なメロディーの国歌がロシア連邦国歌として復活したのである。

ああ、しかし何度聞いてもいい曲だなぁ。ロシア革命時代のボルシェヴィキだったら涙を流して祖国への忠誠を誓いそうだ。音楽にはそんな力もあることを思えば、ちょっと怖いかも。

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「モシュコフスキー20の小練習曲」4番はロシア国歌のどこと似ているか

モシュコフスキー20の小練習曲」4番と、ロシア国歌のどこが似ているかというと、9小節目からである。楽譜では、ラーソファミーファーミレドーレード♭シラファとなっているところを、赤字で書いたようにラーソファソーミドファーミレミーララレード♭シラファに代えると、ほぼロシア国歌になると思う。

上:「モシュコフスキー20の小練習曲」から4番

上:ロシア国歌(ウィキペディアより)

ふたつのメロディーをコードで考えてみたら

モシュコフスキーではキーはへ長調なので、上の赤字部分をコードで書くと、

|F   |C   |Dm   |Am   |B♭   |F   |

になるが、ロシア国歌のハ長調とあわせるべく、キーをハ長調に直してみた。

|C   |G   |Am   |Em   |F      |C   |

ここまでくると、さすがの私もあれっと思った。そうだ!これはかの「パッヘルベルのカノン」のコードと一緒なのだ!ポピューラー音楽の世界ではヒットの鉄則といわれるなじみが深いコード進行なのだった。どのキーでも対応できるように一応度数表記で書くと下のようになる。

Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅰ

結局、私はロシア国歌が好き、というよりもカノン進行が好きなだけなのか?いや、ロシア国歌もカノン進行をうまく使って壮大で愛国心を鼓舞するような終止形になっているからね。そして、モシュコさんの4番もこれだけではなくって、中間の展開部もなかなか波乱に満ちているよ。でもまた最後のほうでカノン進行がでてきて、奏者はやれやれひと安心。それにしてもパッヘルベルのカノンの力はすごいなぁ。復習の意味で何回でも聞いてみよう!

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