夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

ジャズピアノの先生の説明を補ってくれるYouTubeジャズピアノ講座

ジャズピアノの先生のわかりにくいご説明

私も含め、私たちのジャズピアノの先生は生徒間でとても人気が高い。プライベートレッスンのみなので、生徒間の交流はあまりないはずなのだが、3か月に一回はアノトリオ、あるいはヴォーカルがはいってのアンサンブル練習があるため、他の生徒さんと顔をあわせて話をする機会はけっこうある。

そんなとき、常に話題となるのが、先生のピアノ演奏力の高さ、お人柄の良さ、そして説明が抽象的でわかりにくいことである。これは最初私にだけかと思っていたが、他の生徒さんに対しても、具体的な練習方法を示唆するのではなく、「膝の上にぬいぐるみがあるような気持ちで」とか「音を遠くに飛ばす気持ちで」弾くように、とおっしゃっているらしい。そして生徒はみな、「先生のゆうこと、ようわからへんわぁ」と笑いあうのだ。今のところ、先生の説明の「わかりにくさ」に業を煮やし、教室を辞めたい、と思いつめる生徒さんはいないのではないかと思う。

もともと日本語にないジャズ用語

説明というのはむずかしいしね。特にジャズなんか、用語自体がもともと日本語にないから当たり前だ。だいたいリズムからして、日本語ではなんというのか?アーティキュレーションは? これはクラシックでも使うからなんとなくはわかるが、100%自分の理解があっているかどうかは自信がない。さらに言えばグルーヴとは?これは日本語に直すと「ノリ」になるらしいが、「ノリ」がいい、悪いとかいっても、あまりに不正確でよくわからない。よくわからないくせに、「きょうはノリノリで」などどほざいている日本人の、何と多いことよ!

ジャズピアニスト篠田淳氏の講座動画

ジャズピアノレッスンをほぼ40年ぶりに再開した昨年、先生は私の演奏を聞いて、「どういうたらええんやろう」と困り果てることが多かった。40年の間、自己流で弾いていたから、知らない間にヘンな癖もついていたのだろう。

先生は一生懸命、私のピアノのどこがイケていないか、説明しようとされたのだが、私はその説明さえよくわからなかったので、YouTubeでジャズピアノ講座の動画をよく見ていた。新しい動画がアップされるたびにPCの前でメモをとりながら拝聴したものである。

最近、というかここ3か月ほど、先生が「やっとわかってきたな、ようなったわ」と言うので私は、このジャズピアニスト、篠田淳氏の動画のことをもうすっかり忘れていた。

ところが先日、何かの折に思い出して篠田氏の下記の動画をみたとき、「説明自体は先生より篠田さんのほうがわかりやすい」ということに気がついたのであった。

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音使い、つまりメロディーはリズムのあとで

篠田氏がいうには、ジャズにはまず、リズムタッチグルーヴが大事で、音使いはその次にくるもの、ということだ。他の例えも用い、「もし俳優のせりふだけに価値があるのなら、高いギャラを払って有名な俳優を雇う必要はないはずだ」とも言っている。

ところが、私をも含めてジャズの初心者は「まず、メロディーありき」のひとが多いような気がする。自分が鍵盤を押して出てくるメロディーがジャズになっているかどうかばかりが気になり、それでプロの演奏家のコピーに長い時間をかける傾向があるようだが、これは本末転倒ではないだろうか?

一方、私の先生は私の演奏を評して、「家を建てるときに、壁の色や模様や屋根のデザインばっかりに気を取られていて、かんじんの骨組みのことを考えていないみたいだ」と言っていた。今となっては、「あ!そういうことか!」とわかるのだが、そのときは「そやけど、壁の色は大事やし」と心のなかでぶー垂れていた。このように、ジャズ道とは、迷いながら進むものなのか!