昔はものを思はざりけり?
ドビュッシーの「パスピエ」を弾くことになっているピティナステップまであと1週間を切った。
もうずいぶん長いことこの曲を弾いているような気がして、過去のブログを読み返してみたら(自分のブログは書いてしまえば読むことはないのに)去年の8月8日のブログにA4でコピーをとったことを記事にしている。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
ということはもう8か月も弾いているのか、長いなぁ。
あらためて思うことは最近やっとこの曲のメリハリがわかってきたということで、あまりにも遅すぎる。メリハリというか、この曲はほとんどppp、pp、p、mpでたまーにmfがでてくるぐらいなのが、最近しみじみわかった。
なのに過去にYouTubeにアップした自撮り動画ではほとんどmpからmfで弾いているようにしか聞こえない。
恥ずかしいなぁ、もう削除してしまおうかしらん。今はやっとわかりかけてきたけれど、動画をアップしたころには、何もわかっていなかったなぁ。
こういうのって「昔はものを思はざりけり」っていうのかな?
え、違いましたっけ?
シンコペーションだらけのパスピエ
「パスピエ」ではシンコペーションが頻繁にでてくる。シンコペーションといえば、私はクラシックよりもジャズやポップスのほうでお目にかかる確率が多いと思っていた。そのシンコペーションがばんばん出てくるせいか、私の個人的な印象では「パスピエ」はあまり、クラシック、クラシックしていない。だから好きなのかもしれない。
下に「パスピエ」の一部で、シンコペーションの箇所を赤で囲んでみた。
シンコペーションはスカートで
先日のレッスンでは
「シンコペーションは日本語では切分音(セツブンオン)と言います。」
という説明を受けた。
「切る、と言われていますが、ここではスカートと言うように、カーのところをちょっとふくらませてください、するといい音がでます。」
ようするにふわっと拡がるスカァーート、と言う感じか。
私はふわっと拡がるスカートをイメージしながら、先生のお手本通りに鍵盤を押さえてみた。するとどうだろう。グランドピアノから、ふわわぁとした音が放物線のように飛んでいくのが、感じられたのである!
「ははーーー、これはジャズとは反対やな」
と私は口には出さず、思った。
こういう弾き方はジャズピアノの先生からつねづね、ジャズらしくない、と注意されるところである。
すなわち、ジャズではすぐ叩かないといけない。ふんわりというタッチはNGだと言われてきた。
「パスピエ」でスイングしたくなるところ
ところで「パスピエ」には非常にジャズっぽいパートがある。私はここではモーレツにスイングしたくなる。ノリノリで弾いていて、とても楽しい。
先生からは「鍵盤を叩いていますね」と言われたが、特にそれを止めるようには言われなかった・・・
パンチブラザーズによる「パスピエ」
この曲を面白いと思ったのだろう。パンチブラザーズというブルーグラスのバンドがバンジョー、マンドリン、ギター、ヴァイオリンの構成で「パスピエ」をかなり忠実に再現している。
ところで曲の紹介のときに、「sung by French man・・・Claude Debussy」というと、聴衆がワァーーーーっと湧き上がる。まるでドビュッシーが現代のスターであるかのように?この反応はまったくわからない。