「毎日の練習12か月・1~うたう指づくり」とは?
ピティナステップが終わってから、ピアノ練習の進捗状況は足踏み状態が続く。
まあこういうこともあるものだ。
きょうは、ゴールデンウィーク前に受けたクラシックピアノのレッスンを思い出しながら書いている。
今の先生のレッスンでは、最初の10数分間はテキストとして「毎日の練習12か月・1~うたう指づくり」を使うようだ、ということがわかってきた。
最初、この本を見せられた時、あまりの簡単さにちょっと拍子ぬけがした。
まずハノンより簡単そうなのである。
全ページは50ページにも満たないし、各エキササイズもだいたいが16小節まで。
出てくる音符も2分音符、4分音符、8分音符、そして16分音符までである。
これではハノンのほうがずっと難しいではないか!
そして言われたことは
「この本を買ってください」
ええ、買いましたよ。そんなに高いものではありませんでしたから。
でもこの予習をする必要もないと言われたし、何より自分のレヴェルはもっと下げてからやるべき、と言われたようでちょっと悲しい気持ちがしたのも事実である・・・
でもこの本をネットで買う時に購入者のレヴューを読んで、「これは隠れたベストセラーかもしれない」と直感した。
この本を読んで助けられた、音がどうやって作られるのかがわかったのはこの本のおかげだ、というレヴューも少なくないし、第一、先生がおっしゃるには、
「1年間とにかくこの本をやりましょう。1年たてば明らかにピアノが変わってきます!」
本当か?
そうだ、信じるものは救われん!!
2分音符は空飛ぶじゅうたん
最初の練習1-Aは以下のように右手だけで2分音符を弾くもの。
簡単といえば簡単だが、この2分音符、たっぷりと2拍を弾き切って、しかも音の響きがなくならないうちに次に移らないといけない。
なぜなら「空飛ぶじゅうたんは止まったら下に落ちてしまうから」だそうだ!
そして音は暖かく、まるく、やさしく。
4分音符は大股歩き、16分音符は小粒の真珠
次の練習1-Bでは4分音符は大股歩きのように、しっかりと。
次に続く16分音符は真珠の小粒のように揃えて、撫でるように「タリララ」
決して決して力を入れず、やさしく「ぶらんこ」と囁くように。
「難しい曲信仰」の呪縛
思い起こせば小さいころから、そしてある程度楽譜が読めるようになってから、ピアノの上達というのは、難しい曲が弾けるようになることだと思い込んでいた。
このいわば「難しい曲信仰」は3年前にクラシックピアノのレッスンを再開してからもずっと、ごく最近まで続いていた。
しかしやっと最近になって、「なんかちょっと違うかなぁ」という気がしている。
たとえ苦労して難曲の音符をなぞらえることができても、今の私の音、弾き方ではそれらの難曲のすばらしさを聴いてくれる人に伝えることはできないだろう。
せいぜい、「このひと、ようがんばりはったなぁ」ぐらいか。
私が弾くことによって、「へぇーこの曲いい曲なんだなあ」と思ってもらえるためには、やっぱり私の何かを変えないといけないといけないと感じている。
それは姿勢かもしれないし、タッチかもしれないし、脱力具合かもしれないし、ひょっとして全部??
とにかく今はちょっと立ち止まって、自分の出す音に耳を澄ましてみる。
今の足踏み状態が「急がば廻れ」の準備段階であることを願って。