復活祭のバカンスももうすぐ終わり
甥っ子ちゃんの中学校は来週から、といっても火曜日から始まるそうだ。
なんとなれば、月曜日は今年はVictoire du mai 1945(1945年5月8日戦勝記念日)にあたり休日らしい。
ともあれ、旅行につきものの「お土産」について彼らも考えねばならないのだが、そこは在日年数の長い夫のすすめに従って、買う前からもう決まっている。
- パリにいる他のきょうだいには、蒸しパン
- そして彼らの母にはバームクーヘン
なのだが、これはあくまで夫の好みかと思うので、他の外国人もこれらが絶対気に入る、とは思わないでいただけたら、と思う。
蒸しパンファンは父と夫
私自身は特に蒸しパン好きでも嫌いでもなんでもなく中立派なのだが、夫はもちろん、私の亡くなった父はかなりの蒸しパン好きだった。
父は後年食が細くなり、歯の具合もよろしくないこともあって、昼食は「蒸しパンだけでよい」ということも多かった。
そして蒸しパンならどこのメーカーでも文句はいわなかったように思う。
ところが夫は違う。
一番おいしいのは銀座の木村屋。二番目は神戸屋だという。
私は、「あっ そーー?」の感想ぐらいしか言えない。
問題は銀座の木村屋の商品は、関西では見つけにくいということにあった。
調べてみると直営店舗は関東にしかないもんね。
たまーになんとかフェアみたいなのがあれば、木村屋さんも出店していることがあるが。
そこで二番手の神戸屋に期待することになるのだが、ウチの周辺で神戸屋の蒸しパンを置いているのは、関西スーパーだけだそうだ。
もちろん、いわゆる芦屋マダム御用達の高級スーパーには、そんな庶民のお菓子は置いていないのである(断っておくが、私は芦屋に住んでいても、芦屋マダムにはほど遠い)。
そこでまた高齢者割引のバス定期券保持者である私が、えっちらおっちら山を降りて、蒸しパン10個を買い出しにいくことになってしまった!
なぜバームクーヘンはフランスにないのか?
バームクーヘンと言えば、もとはと言えば、ドイツのお菓子と聞いている。
20世紀初頭、このお菓子を日本に広めたのは、カール・ユーハイム氏であることは確かだが、別に彼がこの製法を発明したわけではなく、伝統的なドイツ菓子のひとつであったと思う。よう知らんけど。
興味のある方はぜひ下のサイトをご覧ください。
関東大震災と太平洋戦争を乗り越えて、神戸でお菓子を作り続けた夫妻の物語は、私のお気に入りストーリーのひとつである。
バームクーヘンはユーハイムに限る?
隣国であるドイツのお菓子のおいしさを知らなかったフランス人が、遠く日本までやってきてはじめてそのおいしさを知る、というのは私からしたら若干、奇妙なハナシなのだが、夫やその弟にはそうでもないらしい。
「バームクーヘンはいろいろなメーカーが売っているけれど、ママンにはユーハイムのでないとダメだから気をつけて!
スペルはB A U M・・・」
その訓示を真剣な面持ちで聞いているのは、夫の弟である甥っ子ちゃんパパ。
パリにいるママンはよい息子たちをもって幸せだねぇ~