「エミリー」というジャズワルツ
これもゴールデンウィーク前のレッスン記事だが、クラシックではなくジャズピアノのもの。
今練習している曲のなかに、「エミリー」というジャズワルツがある。
最初の頃はこの曲を弾くたびに下記の記事にあるように、私の子ども時代のアイドル、高見エミリーさんを思い出していたが、さすがに最近はそういうことはない。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
きれいだけれど、ジャズワルツになっていない
先日のレッスンで「エミリー」を弾いた後の先生の講評は、
「きれいやなぁ~、 ホンマきれいやなぁ」
こういう誉め言葉のあとはたいてい、苦言がぞろぞろ続く。
「そやけどなんかツルっとしてんねん。ジャズ特有のひっかかりゆうか、トゲみたいなんがないねん」
要するに、楽譜はないが楽譜どおりに、ただ機械的に、オルゴールみたいに淡々と弾いているだけ、とおっしゃりたいのだろう。
「ジャズワルツのリズムは
ズチャッツ チャー ズチャッツ チャー ズチャッツ チャー
やけど、これできる?」
ジャズワルツのリズムを特訓
今のジャズピアノの先生に習ってから、こういう機械的な練習をやらされたのは、はじめてである。
循環コードで「ズチャッツ チャー ズチャッツ チャー」を繰り返し弾いているうちに、いかに自分がリズム感に乏しいかをあらためて知らされた。
この場合、ズとツは左手のベース音になるかと思う。そこに合いの手のようにチャとチャーの右手がはいるのだが、最初のチャは「もっと鋭く、もっと短く、もっと軽く、たいして、チャーは比較的落ち着いてテヌートで」と檄を飛ばされているうちにすっかり汗をかいてしまった。
ウィンナワルツはブンチャッチャッではなかった
「そやけど、クラシックにもこんなんあるで。そうやウィンナワルツや!」
と先生がおっしゃるので、そのときは「そうですかー」と流しておいた。
しかし、あとになってウィンナワルツを調べてみて驚いた。
私はウィンナワルツのことを、よく知りもしないくせに、ブンチャッチャッ、ブンチャッチャッ、という3拍子にのせてニューイヤーコンサートで演奏するものと思い込んでいた。
しかし下記のサイトにあるように、ウィンナワルツのリズムとは「(引用はじめ)1拍目と2拍目の間隔がやや短く、2拍目と3拍目がやや長く『タターンタ』という感じです(引用終わり)」が、あるべきものらしい。
ちょっとくずすのはむずかしい
なにもウィンナワルツのリズムがジャズワルツと似ている、とまでは言わないが、拍と拍の間隔が均等でなく、どちらもその土地の土着民でないとつかみにくいというところが面白いではないか。
この、「ちょっとしたくずし」が身につくと恰好いいだろうなぁ。ファッションでも上から下までビシッと決めているのは、逆に垢抜けしないものだ。
ちょっと遊びの要素を入れる、くずす、というのはその匙かげんがとても難しいし、なかなかサマにならない。
でもそれがないと、面白くない、つまらない、いわゆるダサい、というのはわかる、わかるんだけどむずかしいワ。
というわけで、久しぶりにウィンナワルツを聴いて見たのだが、そのリズムというかテンポの自由さにびっくりした。
こりゃ指揮者さんは大変だろうね。