やはり違うジャズとクラシックのピアノのタッチ
このブログの副題として「クラシックピアノとジャズピアノの両立」というのを掲げてはいるが、もちろん私にそんな大それたことができるとは思っていない。
ほんのジョークであるが、どちらも好きなので、どちらもやめようとは思わないだけである。
しかし異なるふたつのジャンルにおいて、弾き方(?)タッチ(?)がまったく異なることには閉口することもある。
そしてこれらを解説してくれるYouTube動画を常日頃、探しているのだが、ほとんどないにひとしい。
おかしいな~ たいていのことはネットに聞けば教えてくれるのに、なんでこれは誰も教えてくれへんねん?
ジャズでのよいタッチはクラシックではNGそう
今のジャズピアノの先生とのレッスンでは、最初は必ず、
「重いな~ タッチが遅いわぁ」
といわれる。
そこで
「指先ではじくように弾け、パラパラと。トリルを弾くように。からだごと動かすな。からだから動かすと指のスピードが遅くなるから」
と言われるので、ご意向に沿うようがんばると、レッスンの最後では
「うわぁ、今のええわ、めっちゃええわ」
と誉められ、あとで自分でも録音を聞いてみると、「これが私?」と思うくらい、改善されているのだ。
しかし家へ帰ってショパンとか弾いていると、またその感覚を忘れてしまう。
というか、指先ではじくようにパラパラ弾くなんて、クラシックでいうと「指弾き」とか「チャラチャラ弾き」とか良くない弾き方の典型ではなかったか?
ウィントン・マルサリスでもジャズとクラシックの間隔をあけているらしい
ここはもうあきらめて、ジャズはジャズ、クラシックはクラシック、というふうにそのときのモードを完全に変えなければならないのかもしれない。
そこで先生は忘れられないことを言った。
「ウィントン・マルサリスかってそうらしいで。
ジャズを吹くときとクラシックを吹くときは、一週間ぐらいあいだあけるねんて」
マルサリスが吹くバロック
ウィントン・マルサリスはジャズでもクラシックでも、グラミー賞を受賞している天才トランペッターである。
といっても私は管楽器を好んで聴くほうではないので、彼についてよく知っているとは言えない。
しかし夫が昔買ったCDのなかに、マルサリスがソプラノ歌手、キャスリーン・バトルとデュエットしたのがあり、これは長いことお気に入りだった。
その理由は、たぶんそこに収められているバロック音楽が気に入ったからだろう。
トランペッターの演奏に惚れ込んだから、とはとても言えない。
マルサリスが吹くジャズ
もう一つ、私が積極的にマルサリスを聞く気にならなかったのは、村上春樹氏が自著「意味がなければスイングはない」の「ウィントン・マルサリスの音楽はなぜ(どのように)退屈なのか?」のなかで、マルサリスの音楽を「技巧はあるけれど、退屈で、田舎臭くて、スリリングでなくて、お勉強ぽくて・・・」とけなしまくっているからだ。
尚、私は氏ほどの耳を持たないので、マルサリスのどこが退屈なのか正直わからない。
この「わからない」というのが、また劣等感を抱かせるなぁ。まったくもう。
それではここで彼のジャズを聴いて見よう。
下のなどは、結構楽しいと思うんだけど?