紋切型アナウンスをバカにしているとこんな目にあう
今週は全国的に天気が悪く、私が住んでいる兵庫県南部でも、ずっと曇りのち雨、雨のち曇りの天気が続きそうだ。
こういう天候のとき、駅前にある商業ビルのエスカレーターに乗っていると繰り返される自動アナウンスがある。
「本日は雨のため、足元が大変滑りやすくなっております。お客様におかれましては、くれぐれもご注意の上・・・」
このアナウンス、関東でよく耳にする「うざったい」にあたるなぁとかねがね思っていた。だってもう雨がやんでいるときでも、そのまま流されていることが多いからだ。
こういう思い上がりをもつから、バチが当たったのかもしれない。
なぜなら昨日の雨の夕方、自宅の庭の階段でみごとに足を滑らせて左足首を痛め、いつまで続くか不明な松葉づえ生活がはじまったばかりだからだ。
ポストを見に行って、ツルン!ドスン!痛い!
私はその日、注文した「イタリア語から学ぶひと目で納得!音楽用語辞典」が届くのをいまかいまかと待っていた。
この本はクラシックピアノの先生宅で教えていただき、イタリア語の専門音楽用語が、ありきたりの日本語訳ではなく、可愛いイラストを交えて説明されているので、非常におススメとのことだった。
たとえばラルゴ(Largo) は幅広く、ゆるやかにといった日本語訳で紹介されているが、イラストではだっぶだっぶのパンツ!
レゾルート(Resolute)は「決然とした」と訳されているが、イラストでは分かれ道のひとつを迷うことなくつき進む少年の姿!
イラストのほうが、はるかに本来表している意味を表現しているではないか。
で、本題だが、私はこの本がポストに投函されているかどうかをみるために、小雨降りのなか、トントンと石段を降り、いや降りようとして、
ツルン!! ドスン!! 痛ーーーーぃ!!
と尻もちをついたあげく、左足首を捻挫してしまったのだった。
béquilles (ベキーユ)=松葉づえはすっかり忘れていた
最初のうちはそれほど痛まなかったので、保冷剤で冷やしながら、今週の予定がこなせるのかどうかばかりを心配していた。
懸案だったクラシックピアノのレッスンも先生が再開してくださることだし・・・
そこで杖、もしくは松葉づえがあったらいいなぁ、ということになったのだが、あれほど日本語堪能な夫が「松葉づえ、何それ?」と聞いたのにはびっくりした。
ああだこうだ、と説明すると、「ああ、béquilles (ベキーユ)」と納得している。
béquilles??これって仏検準1級だったか1級だったか忘れたが、ディクテで出てきた単語ではなかったか?
その単語を私はとうに忘れていたし、夫も相応する日本語を知らなくても、名実ともに日本語の達人と言われてきたのだ。
まったく! 試験なんてなんやねん!
と毒づきながら寝たが、翌朝私はまったく立ち上がれなくなっていた。
トイレにもどうやって行く?
もうこれは救急車を呼ぶという選択肢しかないように思われた・・・