「苦手」と「難しい」は違う
きのうの記事に引き続いて、インヴェンション苦手ランキングのNo.1発表!!
その前につらつら考えたのだが、この「苦手」には当然個人差があるよね。
つまり私が「苦手」と感じる曲でも、あるかたにとってはお茶の子さいさい、朝飯前で余裕のよっちゃんで弾けてしまう、ということは大いにある。
だからくれぐれもピアノ学習者のみなさんは、「本気」で受け取らないでいただきたい。予防線を張ったわけではないが、これはあくまで「苦手」であって「難しさ」とちゃう、いやちがうからね。
私のインヴェンション苦手ランキングNo.1
12番のイ長調でめでたく金メダル。
速度はVivace(ヴィヴァーチェ)!このイタリア語の語感だけはとっても好き!
8分の12拍子やから1小節に8分音符が12個ある、ゆうことやね。
私は曲の冒頭部分に結構こだわるタイプで、なぜかというと最初でこけると、もうあとで収拾がつかなくなることが多いからだ。
だから最初から左手の16分音符が上がったり下がったりで結局転がり落ちていくようなこの曲はもう、鬼門としか言いようがない。
そして付点2分音符につける長いトリルが左手だけで4か所もある!(右手は2か所)
これはもう「得意はトリルです」と言えるぐらいまで練習しないと、全然サマにならないね!
グールドで聞くインヴェンション12番
ここでちょっとグールドのインヴェンション12番を聴いて見ようと思う。
もはやバッハに関しては、非のうちどころがないとされているとされているグールドだが、私は彼の12番はちょっと好みではない。
あまりにもテンポが速すぎて、まるで33回転のレコードを間違って45回転でかけてしまったかのように感じるのだ。もう目がまわりそう!!
ヴィキングル・オラフソンで聞くインヴェンション12番
以前にも、このブログでヴィキングル・オラフソンをご紹介しているが、私はこのかたのバッハが大好きなのだ。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
このかたは、ある特定の作曲家に限ったアルバムの出し方はしない方針らしいので、バッハの曲の全部が聞けるのではないと思うが、幸いにもインヴェンション12番は録音されている。
このかたの速すぎない速度、音符のひとつひとつが真珠の小粒のように輝いているところが好きなのだが、フレージングのつくりがほかのひとと違っていて、「ハッ」とさせられるところが私のツボなのだ。
例えば、7小節目で強調される8分音符。
初めて聞いた時は「こんな旋律、楽譜にあったかなぁ~」と思ったくらい。
これが何とも不思議なアクセントに思え、「カッコええ~~」としびれるのだよ。
え、カッコよくないですか?
苦手を構成しているものの結論
結論として私の苦手インヴェンションは5,12,15となるのだが、これらの共通点を抽出してみると、
- 左手が複雑
- テンポはアレグロ以上
- トリルが決まらないとサマにならない
ということに尽きると思う。
だから、テンポが速くて、左手がややこしくて、トリルが満載の曲を重点的にやれって?結局そういうことなのか・・・