夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

アバウト人間には試練のクラシックピアノレッスン

ジャズピアノレッスンは3か月で区切り

今思えば、ジャズピアノのレッスンでは3か月がだいたい一区切りになっていると思う。

つまり3か月ごとに開かれるアンサンブル練習会のために、2曲を仕上げる。

その2曲はどんなに間に合ってなくても、出来が悪くても、アンサンブル練習会以降はレッスンでとりあげることはない。

だからあまり好きでない曲、得意でない曲、もう飽きてきた曲の場合も、

「アンサンブル練習会まではがまんしよう!」

という気になる。

このシステムが理解できるようになったのは、入会してアンサンブル練習会を2回ほど体験した後のことだし、もちろん体験レッスンのときは何も知らなかった。

アンサンブル練習会というのがあるということさえ、知らなかった。

それに参加しない生徒さんもいるので、先生も説明する必要はない、と思ったのだろう。

やはり体験レッスンというのはないよりはましだけれど、それでお教室のすべてがわかるわけではないのだ。

期待値を上回ったクラシックピアノの先生

今のクラシックピアノの先生のレッスンはきょうで5回目となる。

当初、予定していた月2回というより、先生のほうでは毎週、または隔週、または月1回というレッスンペースなので、隔週を選んだ私は、3月にして早くも5回のレッスンを経験することになった。

さて、その感想。

  • いまだレッスンをキャンセル、あるいは変更されたことがないのは非常にありがたい。
  • レッスンスタジオではもったいなくも、スタンウェイを弾かせていただいている
  • 手首、指、腕の使い方など基本的なことも、子どもにでもわかるように丁寧に説明してくださる

以上のことから、ひょっとして私にはもったいない先生ではないか、と思うぐらいだ。

想定外のこともあるクラシックピアノレッスン

しかしやっぱり想定外のことがある、というのが人生につきものだ、ということを実感した。

今までに巡り合った先生の傾向から、

「レッスンのキャンセルや変更さえ頻繁でなければ、どんな先生ともうまくやっていける」

と思っていたのだが、これは楽天的すぎたかもしれない。

なぜかというと・・・

レッスンの前半はあいかわらずバーナムの2に費やし、

「半音下降のときの左手中指のカタチがよくない、

手首をもう少しあげたほうがよい etc ・・・」

で30分ぐらいはあっというまにたってしまう。

やっと曲に移るも、初回からみていただいている、バッハ フランス組曲2番 アルマンドでは

「裏拍が強拍になっているところがある、3度以上離れているのにつながっているところがある、アルトの音が聞こえない」

などなどなど、ヤマほど欠点を指摘される。

ときおり「最初のときより、ずいぶんよくなりましたよ」とは言ってくださるけど。

そしたら最初はどんなんやってん?

ときどき

「あれ、前回そこはそんなこと言われなかったのに」

と不思議に思うこともある。

これって検査をすればするほど、カラダの悪いところが明らかになるのといっしょなのだろうか?

これは性格の問題かもしれない

以上のことを、クラシックも経験したジャズ友に愚痴ると、彼女は

「『もうこの曲は飽きました』ってゆうたほうがええんちゃう?」

と言った。

私も、

「そうやねぇ。今度はそうゆうてみようかなぁ」

と言ったのだが、きょうもあれやこれやと改善点を指摘され、

「もうそんなんいいですから、次の曲にいきたいです」

なんてことはとても口にできなかった。

だって今まで、そんなに細かく厳しく言ってくれる人がいなかったため、私のピアノはひと皮むけずに同じレベルにとどまっているのだろう。

要するにこれは性格の問題では?

先生=物事に妥協を許さず、細かく厳しい

私=大雑把、アバウト、いいかげん(臨機応変ともいう?)

困ったなぁ。

私はどこまでついていけるのだろう?

 

ハノンの訳者、平尾妙子さんのおかげです

ハノン「60の練習曲におるヴィルトゥオーゾ・ピアニスト」の前書き

ハノンの「前書き」には既視感があった

昨日の記事の続き。

ムッシュー先生には「60の練習曲におるヴィルトゥオーゾ・ピアニスト」の表紙のほか、「前書き」(Advertissement)も差し上げた。

差し上げる前に、この「前書き」の内容も知っておかねば、と思い、昔のタイプライターでの印字によくある読みにくいフォントであったものの、無理をして読み始めた。

すると、

「あれ、私、これ知ってる! 読んだことあるもん!」

なんとそれは全音から出版されているハノンに、今も収録されている「はじめに」(平尾妙子訳)の原本だったのだ!

ヤル気がでるハノンの「はじめに」

それは昨年、私が買いなおした全音のハノンにも収録されているが、私が初めて読んだのは小学生のときだから、1960年代から変わらず収録されているようだ。

実は私はハノンのなかで一番好きなのが、この「はじめに」なのだ。

なぜかというと、それは小学生にもわかる平易なことばで書かれていて(使われている漢字も少ない)、きわめてヤル気をださせてくれるものだったからだ。

現代でも、「これさえあれば合格できる!」とか、「基本の単語を500語覚えれば、英語はペラペラに!」といったハウツー本は人気があると思う。

なぜなら、「なにも考える必要はおまへん、XをY回やっただけで、効果ありまっせ!」と具体的に提示されれば、人間だれしも、行く手に光明が射したような気分になるからだ。

ハノンもそれと似たようなものではないだろうか?

これさえやれば、どんな難しい曲でも、ピアノをはじめて1年ぐらいのひとでも、上手になれまっせ~~と言っているのだから。

ハノンってピアノ教育家というより、営業マンなんやない?

ハノンの原文と平尾訳の違い

しかし原文の「前書き」は平尾訳のように、子どもにもわかるようには書かれていず、que 以下の接続詞、ce qui のあとダラダラ続く語句が多い。

まぁ、私の仏文読解力の問題かもしれないけど。

原文と平尾訳の違いは、特に中盤あたりが顕著となる。

例えば平尾訳では

  1. 指を動きやすくすること
  2. 指をそれぞれ独立させること
  3. 指の力をつけること
  4. つぶをそろえること

・・・とわかりやすいように、箇条書きになっているが、ハノンの語句を学校の仏文和訳調にすると、

「本書には、美しい演奏を実現するために不可欠な、敏捷性、独立性、強さ、指の完全な均等性、そして手首のしなやかさを身につけるために必要な練習曲が収録されている。 さらに、これらの練習曲は、右手と同様に左手も巧みになるように計算されている。」

ぐらいになると思うよ。

だから結局、平尾訳は超訳なのだ。

こんなに大胆な翻訳ができる平尾妙子さんってどんなかたなんだろう?

平尾妙子さんはパリ帰りのピアニストらしい

グーグルさんに聞いてみると、平尾妙子さんの訳は「バイエル」「ツェルニー100番」「子どものブルグミュラー」と多数あるようだ。

でも私はバイエルの訳って覚えていないなぁ。

でもこれだけピアノ教則本を訳しているとなると、音楽家なのだろうね。

その他、めだった記載はないが、偶然、平尾貴四男(1907-1953)という作曲家がいらっしゃったことがわかり、妻の名は平尾妙子(ピアニスト)とあるからひょっとしてこのかた?

1931年に夫妻でパリへ渡航とあるから、ほぼ間違いないんではないだろうか?

もっと多くのことを知りたいと思ったが、残念ながらウィキペディアだけがたよりの浅学者としては知りようもない。

思えば、私の子ども時代。

ハノンは退屈でたまらなかったけれど、平尾訳のハノンのことばを読むたびに、

「そうか~ 毎日これをやったら上手になるのか」

と勇気づけられた。

勇気づけられるだけでやらなかったのだから、効果なしとも言えるだろうが、少なくとも平尾訳のおかげで、私は「やりさえすれば、いつか上手になれる」という夢がみられたのだ。

まさしく今の私があるのも、平尾妙子さんのおかげではないか!

 

ハノンについてはムッシュー先生より少しだけ詳しかった

シャルル・ルイ・アノン(ハノン)の肖像

私がパリ万博について知っていたこと

先日のフランス語レッスンでは、エッフェル塔の建設に反対する人々の抗議文、およびそれに対する設計・建設者のエッフェルの反論記事を読んだ。

ところでそれまで私は、パリ万博がそんなに何回もあるとは知らなかった。

ムッシュー先生に、パリ万博について知っていることを聞かれたとき、私が知っていたのは、

だけだったのだ。

エッフェル塔よりハノンの銀賞

「え、それじゃエッフェル塔が抜けていますよ!

エッフェル塔の建設は、フランス革命100周年を記念した1889年のパリ万博の記念に作られたものですよ!」

「え?そうなんですか? 知りませんでした」

エッフェル塔、知ってますよね?」

「はい、1回登ったことがありますけど・・・」

でも詳しいことまで覚えていない。

どうも私の知識・関心事の範囲は非常に狭く、ムッシュー先生と建築論を戦わせられるレベルには至っていない。

そこで私は自分の土俵に持ち込むことに決め、

「パリ万博で私がいちばん印象に残っているのは、ピアノの練習曲集で知られるハノンが銀賞を受賞したことなんです。

でもそれが、エッフェル塔がお披露目された1889年より前なのか、後なのかは知りません。

だから今度調べておきますね!」

ピアノ独学者で初心者のムッシュー先生も、これには興味をひかれた様子だった。

「へぇー、あのハノン(先生の発音はアノン)はそんな昔からあるの?

知らなかったなぁ~

だいたい、フランスにいるときは全然、ハノンって聞いたこともなくってね。

日本に来てから知ったんだけど。 あれ、いいよね、指の練習になるよね!」

ところでムッシュー先生とウチの夫ちゃんだけをフランス人の総体とするのは、きわめて乱暴だと思うのだが、どうもハノン先生の知名度は、生まれ故郷のフランスより、日本でのほうが高いように思うのだが、気のせいだろうか?

1878年のハノン表紙に書かれていること

家に帰った私は自分の持っている資料のなかから、ハノンの1878年当時の表紙と、前書きにあたるものをコピーしておいた。

ひょっとしたら、ムッシュー先生の興味をひいて次回レッスン時の世間話のネタになるかもしれない、と思ったのだ。

まず以下の表紙。

表題は「Le Pianiste virtuoise en 60 exercies」(60の練習曲におるヴィルトゥオーゾ・ピアニスト」。

そしてまんなかあたりに

  1. l'Agilité (敏捷性) 
  2. l'Indépendance(独立) 
  3. la Force(

とある。

どうやらこの3つはハノンが掲げる3大目標みたいなものであるらしい。

 l'Indépendance(独立)と la Force(力)を日本語で理解する

私はただ世間話のネタに、と思っていただけだったのだが、予想に反して先生には大変興味をもっていただいたようで、

「これ、僕にくれるの?」

と言った。

「ええ。もし良ければ」

すると先生はメルシを連発し、大事そうに自分のクリアファイルにしまった。

よかった!

でもつくづく思うのは、日本語とフランス語の違いである。

フランス語では l'Indépendanceといっただけで、すぐ各指がその他の指につられないで独自に動けること、と想像できるのか?

私なんか 直訳の「独立」だけでは、国や親からの独立しか思い浮かばないけど。

それに  la Force(力)も誤解を生まないか?

これも説明がないと、思い切りピアノをぶったたくのがよし、と思われそうである。

ああ、やっぱりことばってむずかしい・・・

 

アンサンブルのお相手はパソコンに決まった

片耳にiPhoneをあてて思い出した鶴田浩二さん

これは昨日の記事のつづきみたいなものである。

世の中には機械のアレコレに強い人がわんさかいらして、もちろん音楽についても造詣が深く、そういう方から見ると、

「このおばさん、何やってんの?」

と言われるレベルの話なのだが、一応顛末を書いておくことにする。

まずiPhoneのボイスメモでは音量が小さすぎて、アンサンブルのお相手にはなりにくく、iPhoneを耳にあてて、空いたほうの手で弾いている、というところまで書いた。

しかしこうやっていると、自分が鶴田浩二さんになった気分である。

ところで鶴田浩二さんをご存じのかたは、まちがいなく還暦以降ではないだろうか?

かく言う私も、彼が二枚目俳優で鳴らしたころは知らないのだが。

私が知っている鶴田浩二さんは任侠映画のスターであり、片耳に手をあてて歌う独特の歌唱スタイルで知られた歌手であった。

パソコンに移してVLCメディアプレーヤーで聴けば?

別に鶴田浩二さんスタイルがいけない、というのではないのだが、あまり効率がよいともいえず、もうちょっとましな方法はないか、と考えたところ、ボイスメモをパソコンに転送したらいいのではないか、と思いついた。

どうしてこれを先に思いつかなかったのだろう。

考えてみれば、ジャズピアノのレッスンでは録音は「マスト」なので、師の演奏ばかりでなく、私の演奏や、くだらないおしゃべりもみな録音している。

そしてその録音の肝心なところを探すのに、ボイスメモはあまり適していないため、わざわざパソコンに移してVLCメディアプレーヤーで聴いていたのだった。

パソコンは一人アンサンブルの優秀なお相手だ

そこでボイスメモの「共有」から「メール」を選び、自分のパソコンメールアドレスに転送する。

これが不思議に時間がかかるのだ。

いつまでも「送信トレイ」にとどまっていることがよくあるのだ。

どうしてだか、いっぺん本腰をいれて調べないといけないね。

でもきょうは時間がないからパス。

さて、メールでパソコンに届いたファイルをVLCメディアプレーヤーで再生してみる。

おー!結構大きい音がでるではないか!

パソコンの音量を70くらいまであげると、これはもうリッパに誰かほかの人が、ピアノを弾いているレベルである。

私のはノートパソコンだから音質もしれているが、デスクトップ型のパソコンをもっていたら、もっといい音もするのではないか?

子どものときの一人遊びと変わらない

これで楽しくアンサンブル!といきたいところだが、ふだん両手で弾いているのに慣れてしまうと、意外に片手だけというのはミスがでてしまうなぁと感じた。

とくに右手だけで弾いていて、左手に対応した休符があるとき、左手を弾かないとその休符の長さがあいまいになってしまう。

だから、そのあいまい休符に満ち満ちた右手録音に左手をあわせようとすると、

「あれ? なんかあわへん。おかしいなぁ。なんでやろ?」

ということになる。

思えばこういう練習って、もっと早い段階、せめて譜読みのときにバッチリやっておくべきだったんだね。

こんどからはもっと早くはじめよう、一人アンサンブル。

この練習方法が、理にかなっているかどうかはわからないが、いろいろやってみるのが結構楽しかった。

そう、私にとってこういうことは、子どものときの一人遊びの延長なのだ。

あの頃は風船を手に持って、ちゃぶ台から何回も飛び降りる実験もした。

いつか風船の力で、からだが浮くかもしれない、と思ったのだ。

まぁ、それと変わらないレベルなのだ。

 

iPhoneにアンサンブルしてもらうための試行錯誤

バッハ フランス組曲2番アルマンドで足踏み

バッハ フランス組曲2番アルマンドはこれまで計4回レッスンしてもらっているが、いまだに合格していない。

自分でいうのもなんだが、これはすでに1回目のレッスンで、「もうできあがっているな」と感じていたのである。

それが次から次へとダメ出しが続き、その理由は

  • 右手が2声であるべきなのに、1声にしか聞こえない
  • フレーズごとのブレス(息継ぎ)が充分でない
  • 左手のバスの裏拍を小指でひくと、ドスンと音が強すぎる

とまぁ、実にいろいろなのだ。

自分でもアタマではわかっているのだが、なかなか改善できない。

ところが、先日は先生に右手部分、あるいは左手部分、私はその反対というふうにいっしょに合わせてもらうと、難点は克服できた。

つまり聖徳太子は7人の声を聴くことができた(8-10人説あり)というが、私は1人の声しか聴こえないのだ。

さあ、困った。これをどう改善すべきか?

アンサンブルのお相手はiPhone

そこでまた再びトライしてみたのが、iPhoneに助けてもらう、という方法だ。

つまり自分の右手(左手)をiPhoneのボイスメモなり、ビデオで録画しておき、あとでそれにあわせて左手(右手)を練習するというもの。

ところでiPhoneボイスメモとビデオとではどちらの音がマシなのか?

ググってみると、どちらも音質は変わらないそうである。

私はこれまでなんとなく、ではあるがビデオのほうがマシだと思っていた。

これはやっぱり、自分が一生懸命指を動かしている映像に騙されるのだな。

「なんか必死でやっている」のをみて、自己陶酔に近い評価をしてしまうのだと思う。

ところがボイスメモで「音」だけを聴くと、

「わぁ~ 下手クソ! もう聴いてられへん!」

となるのだ。

ボイスメモの音質を向上させる方法

自分の音だけを改善するのに、なにも毎回ビデオ撮りをする必要はなく、ここはボイスメモで充分だろう。

ところでそのボイスメモの音質を向上させる方法があることを、下記のサイトに教えていただいた。

これは全然知らなかった。

何でも調べてみるものだね。

trivisionstudio.com

その方法とは

  • ロスレス圧縮に変更する:「設定」➡「ボイスメモ」から「オーディオ品質」で変更可能。
  • マイクの位置を確認し、マイクを音源の方向に向けること
  • なるべく大きな音で録音すること。
  • ノイズ除去をすること

iPhoneのポータブルアンプ1万円は安いのか?

これらの方法をやるとさすがに音質は前より良くなった。

気のせいか、自分の演奏も少しは聞きやすくなったような気さえする。

しかしいかんせん、音量を最大にしてもアンサンブルのお相手にしては音が小さい。

物足りない。

イライラする。

私がいろいろやっているのをみた夫ちゃんが、

「それはアンプがないとダメだよ」

と言う。

アンプ? 暗譜じゃないよね?

アンプとは昔から聞きなれたオーディオ用語であるが、詳しくは何を指すのか私にはさっぱりわかっていない。

わかっていないが、とりあえず「iPhone」と「アンプ」で検索してみると、「スマホに挿したらすぐハイレゾ」と謳っているポータブルアンプとやらが1万円以下!とある。

ほう、世の中の人の1万円は、まるで私の1000円ぐらいのようである。

興味はそそられたが、本当に私が想定する音量にまでなるのかどうか、確信が持てないのに1万円を払う気にはなれない。

それでどうしたかって?

今のところ、録音したiPhoneを片耳にあてながら、それにあわせて片手ずつ弾いているよ!