
昭和のノスタルジーでいっぱいの映画「新幹線大爆破」
映画「新幹線大爆破」には1975年版と2025年版があるようである。
私がここで話題にするのはもちろん、1975年版のほうである。
ああ、1975年!
ひょっとして我が人生のベストイヤーではなかろうか?
希望に満ちて大学に入学した年なのだ!
私のハナシをすると長くなるのでやめるが、何が言いたいかと言うと、この時代の映画、TVにでていた俳優さんはすべて懐かしい。
まるで親戚や近所のおじさん、おばさんみたいである。
「新幹線大爆破」での主だった俳優さんは、高倉健、宇津井健、千葉真一。
みなさんすでにお亡くなりになっている。
それも10年以上も前に・・・
でてくる新幹線の車両も初代の、白と青のヤツである。
新幹線についての私のイメージは、どうもこれしかない。
今の先頭車両の鼻がびよーんと長いのは、どうも新幹線という気がしない。
そして当時はJRではなく、まだ「国鉄」だったのだ!
赤字が叩かれまくった結果、民営化になったのは1987年3月末。
そしてこの映画にもでてくる、私が大好きだった食堂車がなくなったのは2000年。
すべてすべて昭和のノスタルジーである。
停止したら爆発するという斬新な設定
しかしこのノスタルジー映画、なかなか斬新なのだ。
ウィキペディアを読むと、封切り当時はそれほどヒットせず、むしろ海外で受け、その影響で日本でも再評価されるようになったとある。
だってまず設定が「犯人が走行速度80km/hで爆発するように爆発物を仕掛けた」とある。
これを考え出したのは佐藤純彌(さとうじゅんや)監督自身で、オリジナルな発想らしい。
もともと国鉄では「安全のため危機を感じ取ったらすぐ停止する」のがセオリーだったようだが、それを逆手にとったのだ。
こういう逆転の発想ができるひとは本当に尊敬してしまう。
そして国鉄自慢の新幹線が爆破される、というストーリーが国鉄のお気に召さず、国鉄の協力を受けずに作り上げたという製作陣の心意気もすばらしい。
もちろん、今から見ると、車両の模型を使ったようなショットは微苦笑させられる。
犯人からの電話を受け取って、
「なに! 新幹線に爆発物を仕掛けた?!」
とオウム返しに言うのもわざとらしい(電話でそんなこと繰り返しますかいな)。
酔っぱらって帰宅した沖田哲男(高倉健)が、すぐ妻に「水!」といい、妻は水道の蛇口をひねる(当時はこういうシーンがわんさかあった)。
そういうことを差し引いても、時間との闘いで、手に汗握るハラハラ感は充分に感じられる。
高度経済成長期の影も描かれた
パニックだけではない。
昭和の光と影の影の部分も感じられる。
主犯の沖田は零細工場を倒産させてしまった。
その工場に勤めていた青年は、沖縄から集団就職で上京したが、運に恵まれず、沖田に拾われる。
共犯者の古賀(山本圭)は学生運動の過激派くずれ。
「どこか革命の成功した国へいってみたい」とつぶやく。
一方、沖田が行ってみたい国はブラジル。
3人とも昭和の高度経済成長の波に乗り切れなかった不運なトリオなのだ・・・
余談だが、高倉健は映画の出演中、ほとんど作業着で通している。
それが海外へ逃亡を企て、羽田の出発ロビーにあらわれたときは、りゅうとしたスーツ姿でまことに格好いい。
さすがに華のある役者さんである。
若いころはその良さがあまりわからなかったが、今後は彼の作品をもっと観てみようと思う(任侠映画も?)
映画「新幹線大爆破」予告編
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