夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、66歳ゆめこの迷走記録

小曽根真さん&角野隼斗さんの夢のセッションが夢を見せてくれた

角野隼斗さんと小曽根真さん

気づくのが遅すぎた!小曽根さんと角野さんの対談&セッション

きょうの記事のお題は、私が気づくのが遅すぎた、でもクラシックとジャズの両立という夢をみるのは今からでも遅くはない、と思うに至った小曽根真さんと角野隼斗さんが対談&セッションをされた動画である。なんでもこれは角野隼斗さんのラジオ番組らしいのだが、私は今まで、彼の大ファンというわけもなかったので、詳しいことはわからない。ただ2021年の2月に収録されたものらしいので、「ああ、知るのが遅すぎた」と思うのはこのゆえんである。

この動画がなぜ私に、クラシックとジャズの両立という夢を見せてくれるかというと、以下の内容に心奪われたからだ。

  • 小曽根さんと角野さんという、専門分野の違うピアニストがお互いに尊敬しあっていることがよくわかる。
  • 「モシュコフスキー20の小練習曲」についての小曽根さんの思い出 (05:04~)
  • 小曽根さんと角野さんがバッハのメヌエットで夢のセッション(14:24~)
  • 小曽根さんが脱帽する角野さんのジャズセンス

小曽根さん絶賛の「モシュコフスキー20の小練習曲」

小曽根さんは5歳のときにピアノをはじめたが、バイエルの楽譜をみてあまりに子供っぽいのに幻滅し(ジャズピアニストだったお父様のスコアを見慣れていたため)、やめてしまった。しかし12歳のとき、来日したオスカー・ピーターソンの演奏をみてから発奮し、あらたな先生(神戸のフランス人神父様だって!私も習いたいよ!)のもと、ピアノレッスンを再開する。ところが、小曽根少年、「ハノンはやりたくない」と宣言したそうだ。そこで「ハノンが嫌なのなら」と先生が勧めてくれたのが「モシュコフスキー20の小練習曲」ということなのだ。小曽根さんはこの練習曲集を「全部ステキな曲」と絶賛している。えー!そんなの聞いたら絶対買わずにはいられない!私もやるぞ!

小曽根さんと角野さんがバッハのメヌエットで夢のセッション

お次はせっかく目の前にピアノがあるので、ということで始まった夢のセッション。これがすごい!めちゃくちゃ楽しい!

お題はバッハメヌエットなのだが、小曽根さんは「僕、全部は知らんねん」とおっしゃる。そこで角野さんが中間部を弾いてあげて、その手元を見ていた小曽根さん、「あ、わかったわかった」とばかりに始まったのだが・・・

まず1コーラス目は角野さんがリードし、オリジナル尊重で。次は小曽根さんのアドリブがドライヴする、角野さんがジャズのバッキングで応酬。次いで角野さんもブロックコードでアドリブ、小曽根さんの変則的なリズムが圧巻。そして最終コーラスはクラシックっぽいかわいらしさ、でもエンディングは不思議なテンションコードでTHE END。

お二人ともとっても楽しそう! そして「バッハは怒ってへんと思うよ、きっと喜んでるよ」という小曽根さん。私もそう思います!

角野さんのジャズセンスに小曽根さんが脱帽

最近ではクラシックのピアニストでもジャズを弾かれる方は珍しくない。しかし、なんか違うな~という気がするので、以前このブログでも書いた。

kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com

このなんか違うな~というのを、小曽根さんは、関西以外の出身の役者さんが、役柄上仕方なく話す関西弁、に例えていらっしゃる。これはいいえて妙だと思った。演技をして、せりふを覚えるだけで大変なのに、そのうえ関西弁まで習得せねばならないのなら、あまりにも大変だと思うので、糾弾するわけではないが、やはりネイティヴ関西人としてはそういうのを聞くと居心地が悪くなる。

たいていのクラシックのピアニストもジャズを弾くと、これとほぼ同じ現象がおこる。弾いている音符に問題はなくてもリズムというか、ノリが違うのだ。ところが小曽根さんは、角野さんのジャズを評して、「これほどジャズの匂いを感じさせるクラシックのピアニストはいない」と絶賛する。角野さんは相当嬉しかったのではないだろうか。

このほか、話題はヤマハスタンウェイの違い、演奏と作曲との活動を両立させるには?と音楽ファンには垂涎の話題が満載の動画だ。今からでも遅くない?ごらんになっていないかたにはぜひおすすめしたい。

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円熟のピアニスト小川典子さんの演奏をテレビでみる

BSテレ東「おんがく交差点」で演奏する小川典子さん

ピアニスト小川典子さんが出演したBSテレ東「おんがく交差点」

ふだんほとんどテレビを見ない私が、BSテレ東おんがく交差点」にピアニスト小川典子さんが出演されることを知ったのは、偶然以外の何物でもない。たまたま映画を録画しようと思い、テレビの番組表をリモコンでいじっていたら、「ピアノ」と「小川典子」という文字を見つけたので、とるもとりあえず予約ボタンを押した。小川典子さんと言えば、先日図書館で借りた著作「夢はピアノとともに」を読み、ブログの記事にも書いたばかりだからだ。

kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com

 

番組はまず、小川典子さんの迫力のあるピアノ独奏、エルガーの「威風堂々」から始まった。これは小川さんが現在、ロンドンにお住まいということを踏まえた選曲だろう。次に小川さんと小朝師匠、ヴァイオリニストの大谷康子さんを交えてのトークとなった。

小川典子さんの子どもピアニスト時代

著作でも紹介されていたが、小川さんは子ども時代、当時の音楽界の重鎮であった井口愛子氏に師事されている。井口愛子氏とは、亡くなった中村紘子さんのお師匠さんであった。そのレッスンはそれはそれは厳しいものだったらしく、立ち会っていた小川さんのお母様がお手洗いで涙した、というくらいだからすごい。

その甲斐あってか、小川さんは小学校6年のときと高校1年生のときに全日本学生音楽コンクールで1位に輝く。ところがそのとき師事していた弘中孝氏に「コンクールはしょっちゅう行われているし、毎日誰か1位になっている」と言われるのだ。キビシいな~

考えてみれば小川さんが小学生で1位になったのは1973年。それから数えたら小・中・高と50人x3の150人が1位になっているわけだ。その優勝者はみなプロのピアニストとして活躍しているのだろうか? だったらいいけど、世の中はそう単純ではない気もする。

ピアニストの条件は太うで腕まくり?

さて順風満帆に見えた小川さんのピアノ修業時代だが、そのあとなぜか師事する先生が次々に病に臥せられるという不運に見舞われる。リーズ国際コンクールに応募する前にやっと理想の師に出会われたそうだが、その先生はピアノを弾く前に腕まくりをした小川さんの腕が意外に(?)太いのを認めて、「こりゃいけそうだ」と思われたそうだ。そうか、ピアニストは太腕でないといかんのだ。細腕で白魚のような指のピアニスト、というのはイメージだけなんだね。

メディアにはもっと円熟のピアニストを紹介してほしい

現在は浜松国際ピアノコンクールの審査員長も務める小川典子さん。同時にイギリスに留学された当初、自閉症のお子さんがいらっしゃる家庭に下宿したご縁から、自閉症児とその家族を支援するコンサートも開いていらっしゃる。ご自分のピアノ、音楽だけでなく、外に開かれた眼をお持ちのピアニストなんだろう。メディアはショパンコンクールをはじめコンクールに入賞した若いピアニストの話題が中心だが、こういった、いわば円熟の境地に達したピアニストのことをもっと紹介してほしい。だって長く続けるって本当に大変なのだから!

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ちょっといい話:フランス、ボルドーで手術前に歌う外科医

フランス:ボルドーの歌う外科医

数少ない心温まるニュース

前にも書いていると思うのだが、私は永遠のピアノ学習者とフランス語学習者でもあるので、ピアノの練習とともに、フランス語の聞き取りのため、意図的にフランス語のニュースをネットで見ることにしている。

ところでニュースというものは、基本的に良くないことばかりを知らせるためにあるのではないか? 戦争、強盗、殺人、疫病、テロ、その他いろいろだが、日仏のニュースを比較すると日本のほうが国内で起こった好ましくないできごとが多く、フランスのほうが日本に比べて外交、国際問題が多いような気がする。ま、どちらにしろ、心温まるニュースなんていうのは少ない。ところが先日、ボケーっとネットの「France2」を見ていると、ちょっといい話があったので、書いてみることにした。

歌う乳がん専門医がフランスのボルドーにいる

話題の場所はフランスボルドーの外科手術室。手術室から聞こえてくるのはゴスペルかR&Bっぽい歌声。何かの催しがあってプロの歌手を招いているのかと思いきや、それが違うのだ。 歌声の主はAïcha N’Doyeさんというれっきとした乳がんの専門医。歌はアレサ・フランクリンの「You make me feel like a natural woman」で、それはもう、プロの歌手と聞き間違えるほどの美声なのだ。

www.francetvinfo.fr

アイシャさんが手術前に歌うようになったきっかけ

外科医のアイシャさんは言う。「最初のきっかけは、とても興奮していた患者さんに出会ったことです。彼女はあまりに取り乱していたので、麻酔医も処置ができず、もう手術は無理かなと思われたほどでした。しかし私が歌い始めると、彼女は私の歌を聴くようになり、点滴も受け付け、睡眠導入も可能になったのです。それ以降、手術があれば歌うようになりました」

これを彼女の同僚がSNSに投稿したところ、なんと10万ものPVを集めるようになったという。「人手不足をはじめとする問題が山積し、陰欝な空気に包まれている医療界にとって、これはとてもすばらしいこと。人間性のない医学なんてありえないことだから」と同僚のアメリーさんも語っている。

アイシャさんの歌はうますぎてレパートリーも広い

しかしアイシャさんの歌、うますぎる!歌手を目指し、舞台に立ったこともあるというのも頷ける。手術を待つ患者さんはみな、不安と恐怖に押しつぶされそうな気分だろうだから、こんな歌を歌ってくれるお医者さんがいたらどれほど心強いだろう!

また、下のYouTube動画では3:00あたりから、シャルル・アズナヴールの「ラ・ボエーム」も歌っているというレパートリーの広さ!彼女の歌にあわせて、吸入器をつけた患者さんも「ラ・ボエームラ・ボエーム」と唇を動かしているように見える。ああ、音楽の力ってすばらしい!

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急に厳しくなった先生にいったい何が起こったか?

なぜか先生のレッスンが急に厳しくなった

前回のクラシックピアノレッスンはさんざんだった、とブログの記事にも書いた。さんざんよりさらに悪い場合はどういう形容詞、副詞が適切なのだろうか?めちゃめちゃ?ぼろぼろ?子どものときのように、練習をしていかなかったからではない。それなりにしていったのだが、なぜか先生のレッスンが急に厳しくなったのである。それもバッハ:シンフォニア3番で。厳しく、というか細かくなったので、最初の8小節しか進まなかった。よってショパンは全然見てもらう時間がなくなってしまった。こっちも結構練習したのになぁ~

シンフォニア3番の最初の3小節

まず、最初の3小節でこれこれのことができていない➡先生「ソルフェージュの問題かもしれませんね」➡私「ソルフェージュって何ですか?(そりゃ名前ぐらい知ってるけどサ)➡先生「楽譜に書かれている音を正確に理解し、その通りに弾けているかを聞くことができることです」➡私の心の声(要するにわたしの耳がワルいってことだよね!)

先生がおっしゃったこれこれの問題とは以下の通りである。これらをやり直しさせられただけで10数分もかかってしまった。

  • 4分音符の長さが中途半端、充分に伸ばして!
  • 8分音符はぜんぶ正確に切って!
  • 16分音符のところは平板にならず、たたみかけるように!


レガートになるようにやり直しの連続

やっと最初の3小節が終わったと思ったら難関が7-8小節目。4から5の指替えがスムーズでないためレガートが不十分とのことで、こちらも「指を丸めて!」とゲキが飛んだ。「は、はい(汗)」とやっているうちに、「ピンポーン」と玄関のチャイムが。はや、次の生徒さんが来られたのだ。私の集中心がまたここで途切れる。いつものことなんだが、いつまでたっても慣れない。

それにしても前までは、こんなに細かいことまで言われなかったのにどうしたのだろう? 先生は今年から指導方針を変えられたのだろうか?熱心でよいことはよいのだが、これでは1曲終わるのに半年かかってしまう(泣)

 

楽譜の代わりにページオープナーを買う

このあと、いつもの楽器店に寄ってみた。じつはジャズピアニスト小曽根真さんが、クラシックピアノを12歳から本格的に始めたとき、「モシュコフスキー20の練習曲」を新しい先生から勧められ、やっとピアノが好きになった、という話を聞き、にわかに私もこれをやりたくなったのだ。ところが、楽器店には「20の練習曲」よりも難しい「15の練習曲」しか置いてなかった。

「15とちゃうねん! 私は20が欲しいねん!」とダダをこねたい気分だったが、ついていない日はとことんついていないのかもしれない。ウサ晴らしにその辺にあった、「ページオープナー」というのを¥572で買った(ちょっと高いかも?)

普通の楽譜はコピーしてから使うので、クリップ等は必要としないのだが、唯一、ジャズのコードブックが分厚く、コピーをするのも面倒だったので、楽譜を開いたままにできる小道具が欲しかったのだ。こんなのは調べたら100円ショップにもあるかもしれない。しかし買ったものはしっかり留めてくれるようなので、満足することにした。

それにしてもああ、モシュコフスキー20の練習曲!やっぱりネットで買うしかないのか? 一応中身を確認してから買いたいのだけれど・・・



 

ジャズもクラシックも自由自在の小曽根真さんを尊敬する

世界的ジャズピアニスト 小曽根真さん

ジャズの天才少年だった小曽根真さん

バークリー音楽大学のジャズ作曲・編曲科を首席で卒業された世界的ピアニストの小曽根真さんは神戸のご出身である。少年のころからジャズオルガン・ジャズピアノの分野で天才と謳われていたから、当然昔からお名前は存じ上げていた。しかし、お父上が小曽根実氏という「神戸ジャズの父」と呼ばれるレジェンド的存在であったから、私の若いころはまだ「オゾネのムスコ」と呼ばれていたほうが多かったような気がする。そんな言い方をしていたのは、当時私のジャズピアノの先生の周辺にいたミュージシャンたちで、「オゾネのムスコなんか、毎日オヤジの弾くのをみてたらそら上手になるわな」と言っていた。私もそういうのを聞いて「ふーん、カエルの子はカエルか」と思っていたのだ。しかしご子息の真さんはあれよあれよ、というまに出世の階段を昇りつめ、今では小曽根真さんのお父さんは昔、ジャズピアニストで、という紹介の仕方をされている。その真さんも今や61歳なのだ。ああ、月日の過ぎるのはなんと早いことよ!

クラシックの分野にも挑戦する小曽根真さん

もちろん、ジャズピアニストとしての小曽根真さんの演奏は昔から好きだった。理由は同じバークリー出身でも上原ひろみさんのように前衛的ではなく、比較的聞きやすく、しかし通俗的でもないからである。そして近年、小曽根さんがクラシックの分野に挑戦されるようになってから、私の「好き」は「尊敬」と「憧れ」に変貌してしまった。すでにジャズピアニストとして名声を馳せているから、今さら何でクラシックを、と思う人もたくさんいるだろう。そしてジャズピアニストにクラシックが弾けるはずがない、と高を括るひともいるだろう。なのに冒険に打って出るとは、小曽根真さんの場合は単に、それをやりたいのだからやる、と思われる。

ジャズピアノとクラシックピアノの弾き方の違いをどうするか

さて、私の最大の関心事は「ジャズとクラシックじゃ弾き方が違うでしょ?」ということなのだ。私はジャズピアノの先生に、レッスンのたびごとに「クラシックのようにレガートスラーで弾かないように」と言われているが、コトはそんなに簡単ではない。しかし小曽根真さんはいとも簡単に弾き分けて見せてくれる。そういえば、小曽根真さんはピアノを本格的に始めたのは12歳の頃で、それまではハモンドオルガンを弾いていた、と聞いている。ハモンドオルガンも含めて電子オルガンのタッチとピアノのタッチはまるで違うので、どうやったらすんなりと2つの楽器を弾き分けられるのか、それも私にとっては謎であった。もっともそういうことが簡単にできてしまうから、「天才少年」と謳われたのだろうが。

「ジャズピアニスト小曽根さん、クラシックに挑む」の動画を研究

下の動画の冒頭、小曽根真さんはモーツァルトピアノ協奏曲第9番第3楽章をジャズ風に弾いて、「『タカタカタカタカ』というリズムがさきにでているでしょ?」と言っているが、そのリズムはどうやったらでるん?と私は聞きたい。次に本家本元のクラシック風に弾いて(1:03)両者の違いは明らかなのであるが、指は?手は?どういうふうにしたらあんなに変えられるの?

私の印象ではジャズの場合は指の付け根を支点にして指が動いているようで、クラシックの場合は第2関節が支点になっているように見えるけど、違うかな~~

「うーん、ちょっとちゃうと思うけど」なんていう小曽根さんの闊達な神戸弁が聞こえてきそうである。

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