夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

映画「火垂るの墓」が教えてくれた「あめふり」の替え歌

1988年の映画「火垂るの墓

雨の日にまつわる楽しい歌

私がボンヤリしているうちに、近畿地方もとうに梅雨入りしており、毎日毎日鬱陶しい曇天、もしくは雨の日が続いている。

幸か不幸か、挫いた左足首がまだ完全に治っておらず(あかちゃんの足を大きくしたみたいに腫れあがっている)、傘をさしての外出もままならないのだが、雨の日にまつわる楽しい歌はないものか、と探してみたのだけれど・・・

思いついたのが、アメニ映画「火垂るの墓」に挿入されていた童謡「あめふり」である。

野坂昭如氏の小説が原作ではあるが

火垂るの墓」は野坂昭如氏の小説をもとにつくられたアニメ映画であるが、もはや氏の小説を読んだことがあるひとよりも、アニメをみたことのあるひとのほうが圧倒的に多いだろう。

そしてアニメをみたことのあるひとのなかには、熱狂的なファンも数多くいることも想像がつく。

ところが私はとりたててアニメファンでもないし、ジブリのファンとも言い難いので、ここで変なことを書くとファンから抗議が殺到しそうでいいかげんなことは書けないな、とちょっと身構える気持ちもあった。

しかしアニメファンやジブリファンがこのブログに遭遇する可能性はきわめて低くゼロに近いだろう、ということで自分の覚えている範囲内で書いてみることにする。

映画中にでてくる童謡「こいのぼり」と「あめふり(あめあめふれふれ)」

映画中にでてくるのは「こいのぼり」と「あめふり(あめあめふれふれ)」だったと思う。

このうち「こいのぼり」は、清太と節子が西宮のおばさんの家に厄介になっているとき、清太がいわゆる耳コピで「こいのぼり」のメロディーを弾き、それにあわせて節子も歌う、楽しい場面だった。

しかしおばさんの眼にはこの戦時下、きわめて能天気な兄妹に映ったらしく、ひんしゅくを買ってしまう。

そして「あめふり(あめあめふれふれ)」。

どこから手にいれてきたのかもう忘れたが、清太は破れかぶれの傘を手に入れ、節子を背負い傘をさしながら歌うのが、この歌だった。

そして歌詞の「かあさん」が「にいちゃん」に替わっている。

つまり以下のようになっているのだ。

あめあめふれふれ にいちゃんが(かあさんが)

蛇の目でおむかい うれしいな

ぴっちぴっちちゃっぷちゃっぷ ランランラン!

YouTubeでこの場面を探したが、残念ながら見つからなかった。

代わりに、といってはなんだが、子どもっぽいアレンジではなく、大人の合唱団が歌う「あめふり」が気に入ったのでどうぞお聴きください。

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今の子どもがどのくらいこの童謡を知っているかどうかわからないが、少なくとも私の子ども時代にはよく歌われた童謡だった。

それでもすでに「蛇の目」の意味はよくわからなかったけどね(今でも説明しろと言われるとちょっと困る)

兄妹の仲の良さが微笑ましく、くわえて雨のしずくから身を守るにはほど遠い、ほとんど役目をなさないほどボロボロの傘が、たぶんアニメだから笑えるのだろう。

そして原作の「火垂るの墓」も今は手元にないため、詳しいことがわからないが、この場面はアニメ版の創作ではないだろうか?

全体としては暗い悲しいストーリーのなか、ところどころ、ほっこりできる場面をつくってくれたのが嬉しい。

「埴生の宿」とええとこのお嬢さんの声

最後に、童謡ではないけれどアニメ映画の終盤近くに流れていた「埴生の宿」がとても映画にあっていたので、下に貼ってみた。

映画では疎開先から帰ってきた良家の子女たちが、優雅な関西弁で(いわゆる漫才などで知られる関西弁ではなく)、「懐かしい眺めやわぁ~」というところが、清太と節子の境遇と対照的で、いつまでも心にひっかかってしまうのだ。

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