すべては小曽根真さんの大絶賛からはじまった
きょうは私が不本意ながらも、ハノンに回帰(一時的?)する原因になったモシュコフスキー20の小練習曲について書こうと思う。
そもそもこの練習曲をはじめたきっかけは、ジャズピアニストの小曽根真さんが、角野隼斗さんとの対談で、いつかこの曲集をネタにしたアルバムをつくりたいとまで絶賛されていたからである。
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小曽根さんの賛辞を聞いた角野さんは、一瞬びっくりしたみたいに、
「あのう、僕はこれやったことないんですけど」
と言っておられた。
そりゃそうでしょ。どう考えても練習曲集といえばツェルニー30番、40番と進むのが王道でしょ。
なのにモシュコフスキー20はツェルニー30番と同等と捉えられていることが多いようだ。
そしてショパンエチュードに行く前段階としてモシュコフスキー15が推奨されている(ように思える)。
いやはや、長い道のりだね。私なんかこの調子で練習曲をさらっていくと、ショパンエチュードに到達する頃には(到達することがあるとすれば?)たぶん80歳を超えているよ!
モシュコフスキー20の難しさを分析
結論から言えばモシュコフスキー20はひいひい言いながら3周ぐらいした。
そして練習曲というのは、テクニックの改善に効果が期待できるエキササイズを集めたもの、というのが私の認識なのだが、この点において、モシュコフスキー20は、残念ながらあまり私向きとは言えなさそうなのだ。
だって、難しすぎるんやもん!
その難しさがどこにあるかというと、
でもだからといって小曽根さんの評価が的はずれというわけではない。
それどころか、大当たりで、どの曲もどの曲もとても印象的なチャーミングな曲で、この点においてチェルニーなんか足元にも及ばない(と私は思う)
モシュコフスキー20の「美しすぎるフレーズ」
それではモシュコフスキー20の「美しすぎるフレーズ」ご紹介!
- まず7番。まるで妖精が囁きあっているような可愛らしいフレーズだ。
- そして10番。メランコリックな心情が内声を通じてひしひし伝わってくる。
- さらに以前の記事に書いたのだが、ロシア国歌を思わせる部分がある4番も捨てがたい。
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モシュコフスキー20の小練習曲をどう利用してよいかわからない
結局、モシュコフスキー20の小練習曲は練習曲という名がついているけれど、これはもう立派な作品集だと思うのだ。
実際、ピティナステップ課題曲を調べてみても、この曲集は全曲、応用7、発展1-4までのレベルにはいっているし、YouTubeで華麗な指さばきを見せているのも、どちらかと言えば大人より、お子さまたちである。
残念ながら素早い指の動きのお子さまたちには勝てそうもないし、発表会で弾くわけでもないし、というわけで今のところ、このすばらしい練習曲集を私の練習メニューのどこに入れたらよいか大いに迷ってしまう。
というわけで、退屈であっても譜読みの苦労がないハノンを、音楽とは思わずストレッチ体操と思って再開したのだよ。