「クライマーズ・ハイ」は最初の10分で挫折
今日、録画しておいた映画のなかで見たのは、2015年のスイス・ドイツ合作映画「ハイジ」だった。
実はランチを食べ始めるとともに、見始めたのは邦画の「クライマーズ・ハイ」だったのだが、最初の10分で投げ出した。
これは例の日航ジャンボ機事故を扱ったものではなかったのか?
ところがハナシのプロローグみたいなところで、すでに登場人物の人間関係がさっぱりわからない。
日本語を母国語とする人間がわからないのなら、母国語が日本語でない夫には10分でも苦痛だったのだろう。
「あー、もうこれ、面白くない!きょうはやっぱり『ハイジ』にしよう!」
と言ったら、夫は一も二もなく賛成だった。
2015年の映画「ハイジ」はすばらしい
「ハイジ」とは言うまでもなく原作は「アルプスの少女ハイジ」だが、元はと言えば19世紀の文学なのに、今やアニメ版、映画の実写版、TVドラマ版などそれこそ数えきれないぐらいありそうだ。
私が今日見たのは、2015年スイス・ドイツの合作だから言語はドイツ語。
オリジナル言語で字幕付きというのが私の好みなので、もし英語だったら見ていなかったかもしれない(よって『三銃士』の英語版なんか絶対見ないのだ!)。
鑑賞結果は以下の理由により大満足。
- そびえたつアルプスの山々、どこまでも青い空の大自然、ヤギの群れ・・・もうこのクソ暑いときに涼やかな気分になれる最高の映像。
- 主役の少女の笑顔のなんと可愛らしいこと!
- ドイツ映画界の重鎮だったブルーノ・ガイツがハイジのおじいさんを演じている:彼が演じたヒトラーは素晴らしかったが、まさに180度の演技転換。
- ハードタイプのチーズがひんぱんにでてきて美味しそう!あんなにたくさん食べてもコレステロールは上昇しないのか?うらやましい・・・
おせっかいにもハイジの将来を心配していた
私は子どものときに、「アルプスの少女ハイジ」を読んだきりで、日本のアニメも見ていないので、どんなストーリーだったがはっきり思い出せないことも多かった。
おじいさん、ピーター、クララぐらいは覚えているが。
そしてラストはどうなったのか?
ハイジは念願通り、おじいさんやピーターがいる山に帰れて山でずっと過ごすことになったのか?
たしかに山の自然は素晴らしいけれど、成長するにつれてほかの見知らぬ国や人々を知りたいと思う気持ちがでてくるだろう。
必ずしも都会に出る、ということではなくても?
余計なおせっかいながら、私はハイジの将来について心配してしまうのである。
ところが私の心配事を見透かすような映画がつい先月、封切られたことを知った。
それがB級バイレンスの「マッド・ハイジ」である。
破天荒、奇想天外な「マッド・ハイジ」
「マッド・ハイジ」はすべての面において破天荒である。
- スイスが某チーズ会社社長の独裁下となり、自社製品以外のチーズの流通が禁止される。
- ピーターは闇のチーズ売人となり、見せしめのためにハイジの目の前で処刑される。
- おじいさんも山小屋を包囲されて爆死。
- 24歳になったハイジは孤独の身となり、おじいさんとピーターの復讐を誓う。
よくもまあ、こんな展開を考える人もいるものだと感心する。
それも清純無垢な「アルプスの少女ハイジ」から!
エログロ映画ではあるものの、エロはほとんどないそうで、グロのほうで血しぶきが飛ぶシーンが頻繁にありそうだ。
私はバイオレンス、ホラー、SFは基本的に見ないのだが(そしたら何を見るの?と聞かれそう)アイデアの奇想天外さには脱帽し、製作資金は世界中のファンからのクラウドファンディングで調達したというのも驚きである。
それに予告編を見る限り、ピーターは黒人俳優が演じている。
「スイスのヤギ飼いがなんで黒人なん?」と固定観念でできあがった私などは、目をシロクロさせるところだが、若い人にはこれでいいのだろう。
つくづく私はアタマが固いな、と思うのだったよ・・・