「弦楽器とピアノ」でモーツアルト
GW明けにクラシックピアノの先生が企画された「弦楽器とピアノ」というイベントがある。
一番に申し込んだわりにはよく内容がわかっていないのだが、なんでも先生の生徒さん(私をも含めたピアノ学習者)が、先生のお知り合いである弦楽器奏者(バイオリン、チェロ、コントラバス)とアンサンブルをさせていただくことによって、ピアノ演奏にも役立つ弦楽器奏法の手ほどきを受ける、というものらしい。
課題曲の楽譜は、私がコロナに罹る前にすでに先生から渡されているが、そのなかのひとつにモーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」に出てくるメヌエットというのがある。
この曲はピアノソロの楽譜が「トンプソン 現代ピアノ教本」という教則本に収録されているらしい。
私が先生から渡された楽譜は、連弾用に先生がアレンジされたものらしいが、本番ではこれをどう使うのだろうか?
わからないが、ちょろちょろっと弾いてみただけで、
「あぁ、これ、私の苦手なモーツァルトだ」
と思いちょっとげんなりした。
モーツァルトの良さがわからなかった
大きな声では言えないけれど、私は子どものときからモーツァルトの良さがわからなかった。
モーツァルトと言えば、天才中の天才ですよ。
かの小林秀雄氏が大絶賛された神のようなおかたですよ。
その音楽がわからないとは、そりゃわからないほうがおかしいのだ、絶対。
しかし私はあの能天気さ、単純さががまんできなかった。
それよりも小学生の私は、ベートーヴェンの悲劇的で情熱にあふれたパッセージに共感した。
「悲愴」の第1楽章冒頭は、ジャーン ジャジャジャジャーン!!
「わ、かっこええ!!」
と思ったものだ。
それにくらべると、左手がドソミソを繰り返すモーツァルトの単調さは!
なんでみなこんなんがええ、いうねん!!
もっとも大人になってから少しはモーツァルトの良さがわかるようになった。
やっと炊き立ての白いごはんの魅力がわかった、というべきか。
しかし私がモーツァルトの作品で好きなのは、
と短調ばかりである。
オペラ「ドン・ジョバンニ」をYouTubeで見る
どうして私はこうも「ドン・ジョバンニ メヌエット」のような単純(純粋?)、軽快、優美なメロディーに拒否反応を示すのか?
自分自身を知るために、オペラ「ドン・ジョバンニ」をYouTube で最初から見てみた。
私はこのオペラで知っているのは、ラストでドン・ジョバンニが地獄へ落ちる場面である。
ウン、ここは結構好きだ。
悪魔の声、メロディーに迫力があって怖そうだから。
オペラ「ドン・ジョバンニ」中のメヌエット
オペラを見てみると、ドン・ジョバンニが目をつけた女性、ツェルリーナをわがものにしようと、村の若者たちを招いた宴会を開いたところで「メヌエット」が使われているようだ。
下の動画で「メヌエット」が始まるのは、1:38 あたりから。
これまで私は、「ドン・ジョバンニ」と言えば、ただプレーボーイの話かと思っていたが、劇をみてびっくりした。
これって現代で言えばストーカーとか、強姦魔のレベルではないか?
こんな奴が許されていいのか?
地獄へ落ちて当然だわっ
なるほど、オペラ、その背景を知れば私にもモーツァルトの良さがわかってくるのかもしれない。
好きになるためにはまず知ることから、ということか。