夢でささやくピアノ

ジャズ、ポップス、クラシックと音楽の森をさまようねむいゆめこの音楽日記

もしタイムマシーンがあったなら:ジャズ編

クリフォード・ブラウン(Clifford Brown 1930-1956)

村上春樹流「もしタイムマシーンがあったなら」

きのうタイムスリップ映画「ある日どこかで」について書いたら、またタイムスリップ関係のことばかり考えるようになった。

そのひとつ。

村上春樹の旅行記に「ラオスにいったい何があるというですか?」というのがあるが、その第5章に「もしタイムマシーンがあったなら」がある。

以下、引用

もしタイムマシーンがあって、それを一度だけ好きに使っていいと言われたら、あなたはどんなことをしたいですか? きっといろんな希望があるんだろうな。でも、僕の答えはずいぶん前からはっきり決まっている。1954年のニューヨークに飛んで(基本的な愚かしい質問。タイムマシーンって飛ぶのだろうか?)、そこのジャズ・クラブでクリフォード・ブラウン=マックス・ローチ五重奏団のライブを心ゆくまで聴いてみたい。それがとりあえず僕の望むことだ。

この文章を読んで以来、ときどき私ならどの時代に飛んでいきたいか、そして何をみたいか、と考えるのが愉しい。

実にばかばかしいと思いながら。

できたら歴史的瞬間に立ち会うとか?

でも源氏物語ができたのも、秀吉の天下統一も、明治維新の江戸城開城も、これといって決まった日付や場所がわからないから、ちょっと難しいなぁ。

自己催眠もかけられないし。

どうしたらいいのだろう?

 

早逝したクリフォード・ブラウン

とりあえず村上春樹が時空を超えて聞きたいと願うクリフォード・ブラウン=マックス・ローチ五重奏団の演奏を動画(これしかないんだよね!)で聴いてみよう。

曲目は「What is this thing called love」。

トランペットはもちろんクリフォード・ブラウンで、ピアノはリッチー・パウエル。

この2人はリッチーの妻が運転する車の事故で亡くなっている。

 

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では村上春樹は、どうしてクリフォード・ブラウンなのだろう?

この五重奏団はきわめて質が高かったが、クリフォード・ブラウンが突然事故死したため、活動期間がきわめて短かったことで、わざわざ時空を超えて聴きに行く価値があるそうだ。

もちろんチャーリー・パーカーやビリー・ホリディーの演奏も聞きたいらしいが、彼らは麻薬常習者であったため、キャンセルもたびたびあり、せっかく未来からやってきたのに、彼らがとうとうステージに現れず、ビールだけ飲んで帰ってきたということになりかねない、とある。

反してクリフォード・ブラウンはこの時代のジャズメンにしては珍しく麻薬をやらず、クリーンで真面目、誠実で温厚。

ああ、いいひとって早く逝ってしまうんだね。

 

私ならソニー・クラークを聴きたい

クリフォード・ブラウンのトランペットはいいけれど、私はやっぱりピアノに興味がある。

ジャズでは特に。

ナマで聴きたいのはソニー・クラーク

このひとのピアノを聴きたいと思えば1960年頃のニューヨークに飛んでいけばいいのだろうか。

それではソニー・クラークのピアノで「朝日のようにさわやかに」を。

彼のピアノは泣いているように聞こえる。

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ウィントン・ケリーのライブは1966年のシアトル

次に私が聴きたいのは、ウィントン・ケリー。

下のライブ録音は1966年シアトルでのものらしい。

曲目は「There is no greater love」。

先日私もこれをセッションで弾いたけれど、比べるとまったく恥ずかしくなる。

 

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問題は村上春樹はアメリカに住んでいたこともあり、英語ができて、当地のジャズバー事情に詳しいからいいだろうが、私はアメリカのジャズバーでの注文のしかたもわからない。

だいたい新宿のジャズバーでも「ノンアルコールビールはありますか?」と訊いてイヤな顔をされたくらいだから。

アメリカのジャズバーにはソフトドリンクのメニューなんかあるんだろうか?

そしてチップはどれくらい払えばいいのだろう?

タイムマシーンのうんぬんよりそちらのほうを考えてしまうなんて、私はちょっとアタマがおかしいのかもしれない。