キース・ジャレットの「ケルン・コンサート」は歴史的名盤らしい
いったいキース・ジャレットが苦手だと公言するひとが、ジャズファンでいるのだろうか?
村上春樹は別として。
あれぐらい著名になれば何を言ってもさまになるからいいけど。
私はと言えば、これまで世のジャズファンがこぞって泣かんばかりにキース・ジャレットを賞賛するのを見ては、「はぁ」「そぅやね」とあたりさわりのない返事をしてきた。
特に1975年録音の「ケルン・コンサート」は歴史的名盤と言われる。
私はこれまでこのアルバムをまともに最後まで聞いたことがなかった。
一番最初に聞いた若いころは、
「ジョージ・ウィンストン(癒し系ピアニスト)をむずかしくしたみたい」で「かなりクラシックに近い」「抒情的」だという印象をもった。
私はもちろんクラシックも好きなので(だから習っている!)、クラシックに近いということばは貶しているわけではまったくないのだが、それでもキース・ジャレットのファンの多くがクラシックには見向きもしないのに、キース・ジャレットが弾くクラシック臭のする音を絶賛する理由がいまいちわからないのだ。
「これがええゆうんやったら当然、シューマンやグリーグが好きでしょ?
え?それはあかんの?
なんでなん?」
という感じ。
キース・ジャレットを好きになるという努力
私のまわりにいるジャズ友たちも当然みな、キース・ジャレットが大好き。
ある男性は、学生のときに「ケルン・コンサート」を聞いて、魂を鷲掴みにされたそうだ。
それでこの即興演奏を採譜したものを購入して半年ぐらいがんばってみたが、歯が立たなかったとのこと。
「独特のリズム感で3声をきっちり使う」からとてもむずかしいそうだ。
またある女性も
「『ケルン・コンサート』のLPを持っています!
プレーヤーで聴いたらすごいですよ!
鳥肌が立ちます!」
とか。
そうか、私はパソコンやスマホで聴いているから良さがわからないのかもしれない。
でも今さらプレーヤーを買うのはミニマリストの名がすたるし。
というわけで、ここ1週間はIphoneにキース・ジャレットのアルバムを入れて散歩に出ている。
これまでアルバムの4-5枚はがまんして聴いて見たが、もう一度聴きたい、というところまでは行っていない。
でも、いつか好きになる日がくるかもしれない。
私だって「魂を鷲掴みにされる」境地になれるものならなりたい!
それには好きになる努力をするしかない!
キース・ジャレットのテクニックは最強らしい
ある批評家が書いていたが、キース・ジャレットのピアノのテクニックはオスカー・ピーターソンやアート・テイタムどころの比ではないらしい。
そうかなぁ。
私にとってはオスカー・ピーターソンやアート・テイタムは神技で、キース・ジャレットは国際コンクール優勝者(それはそれですごい!)という感じ。
そこまでキース・ジャレットが評価されるのはやはりクラシックのアルバムを多数録音しているからではないだろうか?
バッハの平均律、ゴルトベルグ変奏曲、ヘンデルのクラヴィーア組曲・・・
私はクラシックの専門家が彼のクラシックピアノ演奏を聴いてどう思うか、の感想を聴いて見たいと思うのだが、ネットをくまなく探してもヒットしない。
ジャズピアニストの弾くクラシックなんて・・・とハナから相手にしていないのかな?
もしひととおり、キースのジャズ名盤を聴き終わったら、バッハなども聴いて見ようと思う。
キース・ジャレットのインヴェンション8番
ところで偶然、キース・ジャレットがCMでインヴェンション8番を弾いている昔のCMを見つけた。
ほんの数秒なので、これをもってあれこれ言うのはどうかと思うけれど。
でもほんの数秒でもね、これがアンドラーシュ・シフだったら「わぉ!」と思うのだ。
でもキース・ジャレットのはそこまでは思わなかったね、正直なところ。