
「ギルデット・エイジ」の時代、津田梅子はアメリカにいた
ウチでは何も特にみるべき映画がないとき、TVドラマ「ギルデット・エイジ ニューヨーク黄金時代」のエピソードをひとつずつ観ている。
このTV番組の売りは何といっても、大ヒットした「ダウントン・アビー」の脚本を書いたジュリアン・フェロウズが手がけたもので、20世紀初頭の、斜陽ながらも優雅なイギリス貴族の生活を描いた「ダウントン・アビー」から舞台をかえ、19世紀末のニューヨークの旧勢力と新勢力がカネと名誉を争い、ぶつかり合う人間劇にあると思う。
この番組をみようと思えば、U-NEXTに登録してみるのが王道だろう。
今ではシーズン3まで観られるようだ。
しかしウチでは夫ちゃんのコレクションから観ているので、残念ながら日本語字幕がない。
私はせりふの多いこのドラマの英語字幕を読むのに必死、真剣勝負で、したがってドラマは面白いのにも関わらず、観終わったあとは必ず頭痛に襲われる。
アタマをフル回転させて英語字幕を読んでも100%理解できたかと問われれば、はなはだ自信がなく、それでこれまでこのブログにも書いてこなかった。
しかしそれでも登場人物のカネに対する執念はひしひしと伝わってくる。
そしてふと、気が付いた。
津田梅子ってまさしくこの時代のアメリカの空気を吸って少女時代を送ったのではないだろうか?
彼女の第一次アメリカ滞在期間は1871年から1882年まで。
まさしくギルデット・エイジの設定である1880年代と一致する。
津田梅子が預けられたのは家庭は幸いにも拝金主義とは無縁だったようだが、それでもカネがすべてといった人物、空気に遭遇したことはあったはずである。
彼女の眼にはギルデット・エイジ(金ぴか時代)はどう映ったのだろう?
ギルデット・エイジのモデルになった野心家夫人
ギルデット・エイジにはモデルがいるようである。
まず野心まんまん、鉄道王を夫に持つバーサ・ラッセル夫人のモデルはアルヴァ・ヴァンダービルト(Alba Belmont 1853-1933)。
ニューヨークの社交界を牛耳りたい彼女は、旧勢力のアスター夫人を夜会に招くとか招かないとかが、延々と繰り返され、「それがどうしたん!」と言いたくなるほどである。
アルヴァ・ヴァンダービルトには3人の子どもがおり、娘をしかるべきところに嫁がせたいという魂胆から娘に近づく男性はすべてふるいにかけて落としてしまう。
最終的に娘婿候補として選ばれたのはイギリスの公爵。
このへん「ダウントン・アビー」で莫大な持参金をもってイギリスのグランサム伯爵に嫁いできたアメリカ人の富豪の娘、コーラを思い出させる。
アルヴァ・ヴァンダービルトの経歴を読むと、最終的に娘をイギリスの公爵と結婚させることに成功したが、自身はのちに離婚しているようである。
これまでの「ギルデット・エイジ」をみるかぎり、離婚した女性、不倫した女性はつまはじきにされ、社交界から締め出されたようだが、アルヴァは夫の不貞を理由に、かなりの慰謝料をせしめたようで、このあたりを「ギルデット・エイジ」はどう描くのか?
シーズン4も2026年中に配信予定だそうだが、私としては脚本のトランスクリプションを読みたい。
そういうのってないのかなぁ?
津田梅子が愛したベートーヴェンのピアノソナタ田園Op.28
前後するが、津田梅子はカネに奔走する金ぴか時代をどう思っていたのだろうか?
繁栄する社会のみ見て、「さすがアメリカは進んでいる」「日本は一歩でもこの先進社会に追いついていかないと」とだけを想っていたのだろうか?
ところで津田梅子はアメリカ滞在時にピアノを学び、相当の腕前だったらしい。
それでは彼女が好んで弾いたといわれるベートーヴェンのピアノソナタ田園Op.28をシフのピアノで聞いて見よう(私はまったく弾けない)。