1960年代のカンツォーネブームを覚えている
昨日、「イタリア語から学ぶひと目で納得!音楽用語辞典」について書いているときに、あまりに自分勝手な解釈をしていることが多いのに気がついたけれど、「まぁイタリア語とは縁ないし、全然知らんし・・・」と開き直っていた。
けれどふと、私の子ども時代、イタリア語の歌、クラシックの声楽ではなく、カンツォーネが大流行りしたことを思い出した。
ちらちらっとネットで調べたところ、1960年代の日本は「空前のカンツォーネブーム」だったらしい。
火付け役は誰?何?と知るよしもないが、ジリオラ・チンクェッティの「夢みる想い」(NON HO L'ETA)は子どもの私でも耳ダコになるくらい聞かされたから、かなりの大ヒットではなかったか?
「ノノレタ~」と意味もわからず歌っていた
ジリオラ・チンクェッティがサンレモ音楽祭で「夢みる想い」(NON HO L'ETA)を歌って優勝したのは1964年で彼女はまだ16歳だったらしい。
この曲は弘田三枝子さんや伊東ゆかりさんでもカヴァーされたので、当然そちらのほうをよく聞いているはず。
なのに私の耳に残っているのは、ジリオラ・チンクェッティが歌う「NON HO L'ETA~
NON HO L'ETA」という歌詞なのである。
全然意味もわからないのに!
子どものときは、意味がわからないことをまったく気にせず「ノノレタ~ノノレタ~」と歌っていた。さすがにサビになるとノノレタが合わなくなってくるので、ハミングがラララにしていたけれど・・・
ところでこの「ノノレタ」とは、Wikiによると「私はまだ十分に歳をとっていない」「大人になっていない」という意味だそうである。
こんな長い意味を4字で表せるイタリア語ってどうなってるの??
ジリオラ・チンクェッティのヒット曲2曲
それではジリオラ・チンクェッティの初々しい歌声で「NON HO L'ETA」をお聞きください!
この曲、イントロがチャイコフスキーのピアノ協奏曲みたいでカッコよくないですか?
そして、もう一つ、私の大好きな彼女の曲に「雨」(La pioggia)がある。
この曲は最初短調のキャッチーなフレーズから始まり、途中でまるで雨があがったように長調に転調するところが、もう例えようもなくカッコいいと思う。
サンレモ音楽祭の昔と現在
ところでサンレモ音楽祭。
1960年代には伊東ゆかりさん、岸洋子さんが出場して大変話題になったようだ。
岸洋子さんのことは実力派という以外、あまり印象に残っていない。
しかし伊東ゆかりさんについては、生意気な子どもの私は「なんで選ばれたんやろ」と思っていた。
歌唱力も容姿も他の歌手と比べて群を抜いていた、とはあまり思えなかったからである(ファンのかたがいらっしゃったら本当にごめんなさい)。
しかしサンレモ音楽祭という、レモンを連想させる語感のせいか、私は音楽祭が開催されているイタリアの街にとても憧れていた。
だから後年、といっても1998年のことだけど、ミラノ~ニースをバス旅行したとき、途中サンレモに立ち寄れた時はまさに感無量だった。
いい街だったよ。名だたる保養地ということで、人々も明るく街並みは明るくてきれいでオシャレで・・・
でもこのごろ日本ではサンレモ音楽祭のことって聞かないね。
知っている人は知っているのだろうけど。
今は昔とちがってナントカブームが起こりにくい社会構造になっているのだろうか?