今のジャズピアノの先生に巡り合えたのは幸運
どうもクラシックピアノの先生とはすれ違いが多いようだが、幸いにジャズピアノの先生とはまったく問題はない(と思う)。
これは幸運なことだと思う。
だって数からいってジャズピアノの先生のほうが少ないからね。
今の先生のレッスンが、地理的に近い場所で、理想の時間帯で、リーズナブルな料金で受けられるのは幸運としかいいようがない。
でもただひとつ、レッスンの選曲が全部、先生からの提案で決められることが、ちょっとひっかかってはいた。
私にだって、好きな曲、弾きたい曲はあるからね。
それで前回、といっても昨年最後のレッスンだったが、思い切って、
「先生、私、On a Clear Day ♬(鼻歌を歌って)をやりたいんですけど」
と言ってみた。
すると先生は、
「ああ、これ?」
とテーマを完璧に弾いてくれた!
そして
「ええよ!」
「晴れた日に永遠がみえる」を歌うバーバラ・ストライサンド
「On a Clear Day」とは「On a Clear Day You can see a forever」のことで、日本語訳の一般的なのは「晴れた日に永遠がみえる」。
何やら意味深なタイトルだが、元はと言えば、1970年のミュージカル・ファンタジー映画で、主演はバーバラ・ストライサンドとイヴ・モンタンである。
この大物俳優たちだけで大ヒット映画が予想できそうなものだが、残念ながらこの映画がよかった、というレビューは見たことがない。
そして主題歌も、バーバラ・ストライサンドが完璧な歌唱力で歌っていて、大好きな歌手であるにもかかわらず、この曲だけは歌い方が好みではない。
なんというか、粘りすぎというか、もったりしすぎというか。
でもミュージカル映画だから場面としてはあっているのかもしれない。
ヒロインは予知能力がある女性ということだし?
だから晴れた日には永遠が見える、ということらしい。
晴れた日には上を向いて空を眺めたら、明るい気分になれますよ!という歌ではないようだ。
下はバーバラ・ストライサンドが朗々と歌い上げる「On a Clear Day You Can See Forever」
ゴージャズなオスカー・ピーターソンの On a Clear Day
ところでどうしてこの曲が多くのミュージシャンの心に火をつけたのか、私には何とも言えないが、実に多くのカヴァーが存在する。
ジャズボーカルではエラ・フィツジェラルド、サラ・ボーン、ポピュラー系ではフランク・シナトラ、アンディ・ウィリアムス・・・
そしてジャズピアノではビル・エヴァンス、オスカー・ピーターソン、ウィントン・ケリー・・・
オスカー・ピーターソンのゴージャスな演奏を聞いていると、やっぱりすごいな、この人は、と思う。
和音なんかいくつ押さえているの?重厚そのもの。
そしてグリッサンドがド派手な雰囲気を醸し出す。
マネしようと思っても、無理無理無理。
下はそのきらびやか、豪華絢爛なオスカー・ピーターソンのOn a Clear Day。
一番好きなのはウィントン・ケリー
でもね、私が晴れた日に窓を開けて、眼下にひろがる神戸市街をみるとき(昔はそういうところに住んでいた)、思い浮かべるのはピーターソンのキンキンキラキラの演奏ではなく、ウィントン・ケリーの On a Clear Day なのだ。
この人のアドリブは透明感があって美しい。
もうアドリブ自体がテーマであり歌になっているようで、自然といっしょに歌えるのだ。
ピーターソンのよりは素朴だけれども、ウキウキ楽しい ウィントン・ケリーのOn a Clear Day はいつでも私を晴れやかな気分にさせてくれる。
ありがとう、ケリー!