
名作と言われる「オール・ザット・ジャズ」
1979年のアメリカ映画「オール・ザット・ジャズ」は同年のカンヌ映画音楽祭でパルム・ドールを受賞したすぐれた作品だそうだ。
内容はというと、ミュージカルの振り付け、映画で数々の賞を総ナメにしたボブ・フォッシーの半自伝的ミュージカル映画となっている。
さてこのレビューはというと、ネット上でささっとみただけでも大絶賛がほとんどである。
「とびぬけた傑作」「凡人には理解しがたいほど映像や音楽の演出がすばらしい」などなど。
ところが恥をしのんで告白するが、私には2時間5分という上映時間が3時間ぐらいに長く感じてすごく疲れてしまった。
夫ちゃんなどは開始30分ほどですやすやとお休みになってしまった。
要するにこれは観る人を選ぶ映画なのではないか。
第一、パルム・ドール受賞作品には一般受けせず、難解な作品もちらほらある。
それを完全に忘れていたわ。
「オール・ザット・ジャズ」鑑賞には予備知識が必要かも
この映画、ストーリー自体はそれほど難解ではない。
ブロードウェイの名演出家、ギデオンは毎日、ヴィヴァルディを聴きながら、目薬を差し、覚せい剤(!)を飲み、鏡のなかの自分に「Show time!」といいながら稽古場に向かう。
振り付け、演出家として超一流の彼だがアルコール、煙草、薬、派手過ぎる女性関係が徐々に彼の健康を蝕んでゆき、ついには狭心症のため公演を延期せざるを得なくなるのだが・・・
ではどこがわかりにくいかというと・・・
- ギデオンの女性関係が入り組みすぎていて、誰が先妻かガールフレンドなのか、はたまた一夜かぎりの女性なのか混同しやすい。
- ギデオンはしばしばシースルーのドレスを着た女と人生対話をするが、この女はいわば天使。でも私は最初、愛人のひとりかと思っていたわ。
- タイトルからして微妙:「オール・ザット・ジャズ」というからにはジャズ映画と信じ込んだ私が馬鹿だった。このタイトルはミュージカル「シカゴ」に出てくる同名の歌からきているらしい。また英語の「All that Jazz」にはその他もろもろ、~などなど、という意味もあるそう。
しかしミュージカル「シカゴ」などでボブ・フォッシーのファンとなったかたは、彼の半生について熟知しているから、映画中に説明的なせりふがなくても理解できるのではないだろうか。
それにしても、この映画の製作は1979年。
役を得るためには演出家と性的関係を結ぶことをいとわない女優の卵はでてくるわ、ギデオンはいくらいい作品をつくりたいからといっても毎日、危ない薬は飲んでるわ、現代の感覚からするとちょっと(?)と思わざるをえない。
でも今でもショービジネスの世界ってこんなものなのだろうか?
「Bye Bye Love」が元歌の「Bye Bye Life」
それでも気に入った音楽シーンがあるのでご紹介。
この世とのおさらばを目前にしたギデオンが歌い踊る「Bye Bye Life」。
もともとは1957年に発表されたカントリー・ロックのヒット曲。
私がなじみ深いのはサイモンとガーファンクルのヴァージョン。
うん、やっぱり私はこっちのほうが好きだなぁ。