7月のジャズピアノ教室。
私の課題は、3拍子の小粋な「Gravy Waltz」から。
いつものように、私のピアノにあわせて先生がベースギターを弾き、テーマ→私のアドリブ→先生のアドリブ(私バッキング)→テーマで終わる。
この日、テーマが終わってから先生はゆうに1分半は、講評のことばがみつからないようであった。
やっと、しぼりだすようにおっしゃったのは、
「うーーーん、うーーん、唐突なアクセント、唐突な表現、なんかおかしい。変なアクセントのつけかたで、フレーズやないような気がする」
私は先生の意図を理解しようとし、自分のことばに咀嚼して疑問形にしてみる。
「先生、ジャズはクラシックと違うから、私はジャズっぽく弾こうとしてるんですけど、それがあだになって、おかしくなってるんでしょうか?」
しかし、先生は私の疑問形には答えない。しきりに自分の思考を追い、それを言葉にしようともがいるように見える。
「もっと軽く、もっとテキトーに、もっとルーズに弾かなあかん。唄やねんから。鼻歌のつもりで。温泉に入って、あー気持ちエエなぁ、そういう感じでないとあかん。ねむいさんはマジメすぎる。メンタルでなんか抱えてるの?」
ジャズピアノ教室ではなく、人生相談にきたみたいだ。私は「ストレスがあるのか」と自問自答してみたが、会社に行っていない今はストレスと呼べるほどのものもない。
コウベを垂れる私に、先生は
「サビのところで、ミ♭シ があるやろ。あそこの♭シにおっきいアクセントはいらんわ。どうしました!! なんかノドにつまりましたか!!みたいでビックリする。」
ああ、そういう具体例ならよくわかる。あらためて、自分のセンスのなさに赤面する。もうちょっと、いろんな人の演奏を聞いたほうがいいみたいだね。
ところで、この「Gravy Waltz」だが、とてもステキな演奏をYouTubeで発見した。Benny Benack III というかたで、トランペット、ボーカル、ピアノの一人三役をこなす若手の売れっ子らしい。外見も陽気なアメリカン、爽やかな好青年といった印象(そこがポイントではないけどね)。この数日で、私はずいぶん再生回数に貢献してしまったけれど、よろしければどうぞ。