ひとりでピアノトリオを目指すのは厳しい
およそジャズピアノに憧れて教室に通っているかたの大半は、私をも含めて、ピアノトリオを想定して、入会されるかたがほとんどであろうと思う。
そしておおかたのジャズピアノ志望者は、学生時代にバンド活動からはじめたかたは別として、たいがいひとりで練習していると思われる。
一方、私のようにクラシックからはいった人間は、だいたい指はそれなりに動く。
あくまでも、それなりにだが・・・
そしてまったくアドリブが弾けない状態を通過して、他人様のコピーなら弾ける状態もなんとか通過して、ようやく自分の脳内にあるメロディーで指が動くようになってからも、仲間の演奏、つまりベースやドラムと対話しながら弾く、という難問が待ち構えているように思う。
突如、天地真理の「ひとりじゃないの」を歌いだしたわけ
きょうのジャズピアノのレッスンでも、私の演奏を聞いたあと、先生は、
「どういうたらええのかなぁ~
そういう弾き方やったらベースが刻みにくいねん」
と言った。
正直、私にはどういうことかよくわからない。
そこで先生は模範演技として、スマホのメトロノームの音を最大にしながら、アドリブを弾いてくださった。
私にわかることは、先生がメトロノームの音にのせて、カチカチのギリギリか、それよりほーんの少し遅れてメロディーを紡いでいることか。
こういうノリであれば、ベースもボンボンボンと小気味よくリズムを刻めるらしい。
先生は、
「何度も言うようやけど、あんたひとりやないねん。
ベースもドラムもいることをよう忘れんように!」
そこで私は何をしたかというと、天地真理の往年のヒット曲「ひとりじゃないの」を口ずさむことであった!
先生が大好きな「水色の恋」には原曲があった
天地真理といっても、彼女が国民的アイドルだったのは1970年代の前半だったから、わからないのが普通であり、すみません、古い話が多くて。
とにかく私が歌う「ひとりじゃないの」に苦笑しながら、先生が言うには
「いや、僕、それあんまり好きやないねん。
僕が好きなんは・・・」
と言いながら、ファソラソファ ミファソファミ レミファミレシ♭
と歌った。
「これ、ホンマにええ曲やわ」
「あ、それなんとなく覚えてます。筒美京平の曲ですか?」
「それがちゃうねん。原曲は外国の人らしいわ」
家に帰って調べてみると、先生の行ったことは本当で、この天地真理のヒット曲「水色の恋」には原曲があり、フェリシアーノ・ラタサ(Feliciano Latasa)さんの「Gran Hotel Victoria」がそれらしい。
以下の記事に詳しいことが書いてあり、本当に面白かった。
「昔は良かった」:天地真理の「水色の恋の謎」→ルーツは欧州スペインにあった!? : Kazumoto Iguchi's blog 2
「水色の恋」の最後が大好き
しかし私は原曲のオーケストラもギター演奏も聴いて見たが、私にとってこの曲のいちばん美味しいパートは原曲にはない。
どこかというと、最後の8小節リフレインで、
Gm7 Gm7♭5 F F#dim
あなたのすがた あなたの声は
Gm7 G7 C7 F
いつまでも わたしの 想い出に
となるのだが、この曲を始めて聞いた中学生の頃からGm7 ➡Gm7♭5のコード進行に胸キュンとなっていたものだ。
もちろんその頃はコードもコード進行も何にも知らなかったけど。
それが六十路を越してやっと、はかなく消えた初恋の思い出(?)がここでイメージできるのは、Gm7の5度が半音さがるせいか?と推測できるようになったのである。
それでは懐かしの名曲、天地真理の「水色の恋」をお聞きください!