ハイヒールを見かけなくなったのはいつから?
通勤時にパンプスというか、ハイヒールをはいているひとを見かけなくなってからずいぶん経つような気がする。
私が都内まで通勤していたのは2015年までだから、あれからもう7年もたつのか。その頃、新橋で下車後、職場のある汐留まで歩いていたのだが、電通にお勤めのおしゃれな女性もたくさんいたはず。でもすでに、ヒールのある靴をはいているかたを、あまりお見かけしなかったような気がする。
そういうかたはアメリカのように、通勤にはスニーカーとまではいかなくてもある程度歩きやすい靴を履き、職場についてからキリッとしたパンプス(ハイヒール)に履き替えていたのかもしれないけど。いずれにしろ、ヒール、パンプス、大大キライな私には縁のない話である。
ソニー・クラークの名盤ジャケットはハイヒール
高いヒールのある靴を履くのは金輪際、ごめんこうむりたいが1950-60年代の映画や写真でステキにハイヒールを履きこなしている女性をみるのは大好き。なにしろそういう時代だったんだし。
そういう背景があって、ハイヒールの女性の足だけをジャケットにした「クール・ストラッティン」(Cool Struttin')は若くして亡くなったジャズピアニスト、ソニー・クラークの名を永遠に今に伝える名盤だと思う。
「クール・ストラッティン」を断捨離した大バカの私
日本の1960-70年代のジャズ喫茶では、この「クール・ストラッティン」が大人気で、煙草を吸いながら難しい顔をして聴いていた学生たちが大勢いたと聞いているが、不思議なことに本場のアメリカではそれほど売れなかったそうである。どうしてだろう?
哀愁を帯びたメロディーに心惹かれるのは圧倒的に日本人のほうが多かった、ということか。私も学生の頃にアルバイトをしていたお店で聴いたのが最初だったと思うのだが、いっぺんにピアノのソニー・クラークの、譜面には表しにくい、粘るような弾き方が気に入って、他のアルバムも全部揃えた。
バイト代はすべてレコードに費やしていた時代もあったのに、CDの台頭とともに、「レコードはもう誰も聴かなくなるし、聴けなくなる。第一レコード針を製造する会社がもうない」という当時の世間の噂を真に受けて、断捨離してしまったのだった。ホントにバカだった、と心から思う。
世の中の噂を簡単に信じてはいけない。現にレコードプレーヤーだって売っているし、カセットテープだってまだ存在しているではないか(さすがにMDは見かけないが)。流行とは過ぎ去ったようでまた戻ってくるものなのだ!
ハイヒールの流行は再燃するか
そう思うと、今はたまたまスニーカーが幅を利かせている時代だが、ハイヒールの流行も再燃する日がくるのだろう。
そのころには私はもう足元がおぼつかない年齢になっているから、いくら流行でも履こうと思わない。
ただこれからは、女性が職場で履かねばならないもの、のような決まりが消滅し、男性をも含めて履きたいひとだけ履くものであったらいいな。
下の記事にあるが、ルイ14世の時代には貴族がステータスシンボルとしてハイヒールを履いていたらしい。
ということは、男性がハイヒールを履く時代がやってきてもおかしくないのだ。楽しみだなぁ。