夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

映画「ある愛の詩」で後悔しなかったバッハとフランシス・レイ

1970年のアメリカ映画「ある愛の詩

1970年の大ヒット、アメリカ映画「ある愛の詩

今思うと、「なんであの映画がそんなにヒットしたんだろう?」と思う映画が過去にはあるが、1970年の大ヒット、アメリカ映画「ある愛の詩」(原題:Love Story)はそのひとつかもしれない。

日本での公開当時、私は中学生だったが、映画といい、エリック・シーガルの同名小説といい、キャッチコピーの「愛とは決して後悔しないこと」も含めて、その流行りようはただものではなかったことをよく覚えている。

もちろん、私も見たよ~~ 映画館で! 

そのころの映画の入場料は500円だったと記憶している、安っ!!

映画のストーリーはきわめて単純、明快。

ハーバート大学在学中のオリバー(ライアン・オニール)は図書館でラドクリフ女子大でピアノを専攻しているジェニー(アリ・マッグロー)と出会う。オリバーは資産家の息子だが、ジェニーはイタリア移民の娘。お互いが属している社会の格差を超えて愛し合い、結婚までこぎつけた二人だったが、幸せな日々は短く、病魔がジェニーを襲い・・・

とまちがいなく、泣ける映画なのだ。私もオェンオェン泣きながら、キャッチコピーの「愛とは決して後悔しないことってどういう意味やねん?」と不可解でたまらなかったことをよく覚えている。

愛とは決して後悔しないこと」はどういう意味?

後年、知ったことだったが、このキャッチコピーの元は「Love means never having to say you're sorry」ということだった。直訳すれば、「愛とは、ごめんなさいを言わなくてもいいというものだ」、になるのかな? なんや、日本語キャッチコピーと全然違うやん。

しかし、私はまたここで突っ込みたくなる。例えばDV夫が妻を殴っても(逆もありかもしれない)、妻に謝る必要はない、なぜってその行為は愛からきているものだから、なぁんてね。

そのせいかどうか知らないが、ジェニーを演じたアリ・マッグローはこのせりふが嫌いだった、というのがWikiにある。

要するに、キャッチコピーといい、筋立てといい、泣ける要素をてんこ盛りにした、イメージ先行の映画だったなぁ、というのがこの映画を最初にみてから50年後の正直な感想である。

バッハの「チェンバロ協奏曲」3番ニ長調

それでも今でもこの映画を見て、後悔しなかったなぁと思う点は2つある。

一つはジェニーが、音楽会でバッハの「チェンバロ協奏曲」3番ニ長調を弾く場面。実際に映画に出てきたのが、ピアノだったかチェンバロだったかはもう覚えていない。YouTubeでこの場面を探したのだが、見つからなかった。ジェニーの演奏が終わってからも恋人のオリバーがいつまでも拍手をしていたのが面白かったんだけど。

私はこの映画のサントラ盤をもっていて、主題歌の次にこれをよく聞いた。子どものときのピアノレッスンでバッハをやらなかった私には、おそらくこれが人生最初のバッハとの出会いだったかもしれない。

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フランシス・レイによるテーマ曲

もう一つは間違いなく、フランス人作曲家フランシス・レイによるテーマ曲。この曲は1970年のアカデミー作曲賞を受賞し、長い間映画音楽のヒット曲として君臨していたが、最近あまり耳にしない気がする。

半世紀以上の前の曲はさすがに古すぎて、今の人に訴えるものがないのかな?曲の構成がはっきりしていて、泣かせるメロディーも悪くないと思うのだけれど。大人の女性がピアノ演奏するのも似合いそうだ。

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