村上春樹氏、恒例(?)のノーベル賞ならず
ぼやぼやしているうちに、村上春樹氏が今年もノーベル文学賞を逃したというニュースが発表されてからすでに1週間以上経ってしまったみたいだ。
私自身はなぜか、もともとネガティブ思考のせいか、「どうせ今年もあかんやろ」と思っていたので別段驚きでも残念でもなかった。
だってノーベル文学賞のありがたみがイマイチわからないし。
しかし氏がノーベル文学賞の候補にあがる、ということは何年前から続いている行事なのだろうか?
「村上さんのところ」で書かれた騒がれることへの心境
私が持っている単行本の「村上さんのところ」は、読者からの質問に村上春樹さんが答える、問答形式で書かれている(2015年)。
その一つに
実際のところ、毎年「ノーベル賞がどうの」と騒がれることについていかがお考えなのでしょうか。
というのがあるのだが、村上氏はこれに対し、
正直なところ、わりに迷惑です。
だって正式な最終候補になっているわけじゃなくて、ただ民間のブックメイカーが掛け率を決めているだけですからね。
競馬じゃあるまいし。
と答えている。
2015年といえば、すでにもう8年前なのだが、氏は今も同じ心境なのだろうか?
毎月最終日曜日に放送される「村上RADIO」では新たな心境が聞けるかもしれない。
村上春樹氏が紹介する服部良一「青い山脈」
ラジオ番組「村上RADIO」とは、毎回、氏がお気に入りの自前のレコードを持ち込んで、自らがDJを務めている番組なのだが、前回9月24日の放送ではなんとパーシー・フェイス楽団が演奏する服部良一の「青い山脈」がかかっていた!
これは氏の説明によると40年前ぐらい、千駄ヶ谷の理髪店で散髪しているときにはじめてラジオで聞き、「おお、これしっかりジャズじゃん」と感心されたそう。
それ以来、この音源を探していて最近、CD化されたものを350円で購入されたとのことだ。
別に朝ドラで今季は服部良一をとりあげるから、それに関連したものではなさそうだ。
このアレンジ、フリューゲルホーンとストリングスでテーマを演奏するところは、安物の商店街BGMっぽい。
ちょっと聞くのにガマンがいるなぁ。
しかしテーマが終わる1:50 ぐらいからジャズっぽくなってくる。
氏がいうにように、フリューゲルホーンとサックスの4バース(4小節交換)が4回も繰り返され、テーマに戻らないうちにフェードアウトしてしまうのだ。
まぁ、またあの安っぽいテーマが繰り返されるよりはいい。
「銀座カンカン娘」のほうがジャズっぽくないですか?
それより私は、
「村上春樹さん。こちらのほうがジャズっぽくないですか?」
と言いたいのがある。
同じパーシー・フェイス楽団の演奏で服部良一の「銀座カンカン娘」である。
テーマを弾いているのはハモンドオルガン。
かっこいいなぁ!
この響き、絶対にピアノではだせないし、エレクトーンともまったく違う重厚感がある。
ときおりはいるブルーノートがめちゃくちゃファンキーで粋に聞こえる。
あ、それも元歌のおかげ、服部良一さんの才能のおかげか・・・