私の人生に欠かせなかった本屋さん
本を読むのに利用するのはまず図書館、という私がいうのもヘンなのだが、私は本屋さんが大好きであり、今までの人生ではずいぶん本屋さんに助けられたと思う。
まずジュンク堂書店の数ある店舗のなかでは、神戸三宮店が一番歴史があり、通った記憶があるのは大学生頃くらいか。
京都までの通学時、乗り換えの途中で立ち寄るのは、大阪梅田の「紀伊國屋書店」。
その後、フランス留学時代にはオペラ座近くにあるジュンク堂(いまもあるよね?)をよく日本人同士の待ち合わせ場所にしていた。
またその後、会社員時代はジュンク堂池袋店が職場から近かったので、しょっちゅう昼休みに立ち読みをしに通っていた。
たしか8階ぐらいまであったよね?
楽譜もあればフランス語の洋書もおいてあった。
仕事というか会社も池袋という街じたいもあんまり好きではなかったのに、ジュンク堂池袋店だけは大好きだったなぁ。
あの頃は開店から日も浅かったから、トイレもきれいだったし・・・
このご時世に有隣堂が神戸で開店!
しかしこの頃では書店の閉店に歯止めがかからないらしい。
阪急六甲の南天荘書店はとうに閉店してしまったらしいし、元町の海文堂もないし、直近では神戸阪急の紀伊國屋書店も去年閉店してしまった・・・
東京、飯田橋のフランス語専門書店「欧明社」の閉店には本当にビックリした(メンバーズカード持ってるよ!)
そんな折、改装した神戸阪急のなかに、有隣堂書店が開店したという。
え!まさか、あの有隣堂?
横浜駅西口にあるあの大きな本屋さんの有隣堂だよね!(横浜に用事があるときには必ず立ち寄っていた)
ネットニュースの見出しには「西日本初出店の書店に長蛇の列」あるし!
そこで私は三宮で受けているフランス語レッスンの前に、ほとんどデパ地下しか知らなかった神戸阪急の8階まで昇ってみたのだ。
今では本は雑貨の一部なのか
8階に着いて見まわしたところ、
「あれ?ここなん? 本屋さんというより雑貨屋さんみたい?」
そう、そこは雑貨と本が共存する、ある意味おしゃれな空間だった。
だってはやりの自己啓発本なんかは置いていない。
多くを占めるのは文庫本。
その横にTシャツ、タオル、お菓子、バッグ・・・
よおく見たつもりだけれども、法律とか経済の専門書もなさそう。
学習参考書もない。辞書もないよね。
ちょっとは期待したけれど、洋書はもちろんフランス語本もない。
おしゃれ度を重視するんだったら、「マダムフィガロ」とか「マリークレール」みたいな洋雑誌があってもいいと思うけどね。
とにかく売り場面積が小さい。
ひょっとして芦屋のジュンク堂のほうがずっと大きくないか?
そこで思った。
そうか、最近は本も雑貨の一部なのかもしれない。
「有隣堂しか知らない世界」が面白い!
正直なところ、売り場面積の小ささでがっかりしたのだが、この本屋さんのサイトをみると創業から100年以上の歴史を誇る老舗であるだけでなく、新しい感覚もお持ちのように見受けられた。
それは運営しているYouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」をみてそう思ったのである。
まず最初にみた動画「職業作家のルーティーン」、これ面白い!
そしてみみずくの着ぐるみをきた「ブックロー」とは、何者?
有隣堂の社員さんがやっているって本当?
プロでもこんなにおもしろくて切れ味の鋭いMCをやる人って、そうそういないと思うけど。
好奇心につられて下の記事まで読んでしまった・・・
そうか、世の中捨てたものではないんだ。
本屋さんの数が少なくなっても、売り場が小さくなっても、本が提供してくれる世界はまだまだある。
ただ私が知らなかっただけなんだ!