改善点がありすぎのバッハ パルティータ1番アルマンド
先日のクラシックピアノレッスンでは先生のご所望どおり、まずバッハ パルティータ1番のプレリュードとアルマンドを続けて弾いた。
「あのー、コンクールまであと1か月超あるんですけど、これやったらまるで本番みたいじゃないですか?」
と思ったけれど、とにかく最初から集中して弾いた。
先生は横ヤリをいれることもなく、さらさらと何かをメモしているかと思えば、付箋紙をペタペタと私が見ている譜面に貼り付けていく。
「あーこりゃ、よくないところに貼ってるんだな」
と思ったものの、そこで手を止めてはいけない。
付箋紙がいっぱいで、ところどころ指示も書かれているが、すみません、達筆すぎて読めません。
あー、こんなにいっぱい改善点があるんだぁ
音の長さを揃えるにはまず付点リズム練習から
いちばん「あれれ~」と思ったのは、「たて」と書かれているところは、縦の線が揃っていないということ。
要するに右手と左手がずれているんだな。
あかんなぁ。こんなん基本やん。
「これを矯正するには、付点リズム練習しかありません」
要するに全部、下記のリズム、タータ タータ で弾くということである。
ちなみに最初のタと次のタの長さの割合は3対1ということになるよね!?
「とにかく付点リズム練習を毎日やってください。
3日目以降ぐらいから、効果があらわれて16分音符の長さが全部均等になります」
「??」
付点リズム練習が効果的だという根拠は?
音の長さを揃えるには、この付点リズム練習が効果的だ、という説は大人になってから、あらゆるピアノ学習者向けサイトや記事で読んだことがある。
私はそれを目にするたびに
「へぇ~そうなんや!」
といかにもいいことを聞いた気になるのだが、内心「ちょっと待てよ~」という気にもなる。
よくその根拠がわからないからだ。
例えばですよ、私は5か月前に左足首を捻挫して以来、今でも少々びっこをひいて歩くことがある。
「これを矯正するには、まず3日間は大きくびっこをひいて歩いてください。
そしたら4日目には正しく歩くことができるようになります」
と言っているのと同じではないの。
そしてそんなんありえへんでしょ?
横山幸雄氏が語る付点リズム練習について
この付点リズム練習の効果について、1990年のショパンコンクール第3位の横山幸雄氏は次のようにいっている。
付点音符のところで次の短い音符とその次の付点音符の二つをよりすばやく弾けるように頭の中で整理して、次の付点音符でその前の二つがきちんと弾けたかどうかを確認することができる。
わかります? 私、なんだかよくわかりませーん!
おまけに氏はこのリズム練習は、ほとんどおやりにならないそうだ。
理由は「音楽的でないから」だって、しょぼーん。
メトロノームアプリを16分音符設定にしてみた
しかしレッスン料を払って習っている先生が、せっかくそうアドヴァイスしてくださるのである。
つべこべ言わずにその通りやってみようではないか。
やっているうちに「ああ、なるほど」と思うこともあるかもしれない。
そう思った私は、「音楽的でない」練習を少しでも面白くする方法を模索した。
そうこうやっているうちに、意外に面白かった発見は、スマホのメトロノームのアプリ、「Smart Metronome & Tuner」の拍子設定を16分音符の連続にすることだった。
テンポは♪=150 で私が弾いているアルマンドと同じテンポ、サウンドはウッド(Wood)。
そうすると
タヵタヵタヵタヵタヵタヵタヵタヵタヵタヵタヵタヵ
と鳴って、結構面白いのだ。
ノレるよ、これは。ちょっとした乗馬気分だよ。
もちろんブルグミュラーの「貴婦人の乗馬」みたいではなくて、場末の競馬場みたいだけど。