コンクール前の最後のレッスンのはずだが?
きょうはコンクール前の最後のクラシックピアノレッスン。
しかし先生は
「あと数週間しかありませんねぇ」
とおっしゃった。
「あのう。先生。あと数日しかないんですけれど」
「あれっ そうなの?」
もうこのやりとりは何回も繰り返しているので、私は別段驚かない。
数か月が数週間になっただけましである。
それに私は先生の「きちきち」したところでなく、大らかなところが気に入っているので全然平気である。
一応、バッハパルティータ1番プレリュードとアルマンドを通しで弾いて、ご感想をちょうだいした。
B♭(変ロ長調)は上品な明るさで
先生によると、私のプレリュードは暗すぎるらしい。
「それなんとかならないかしらねぇ。
全然あなたらしくないわ。だってB♭でしょ?
(先生は今までの先生と違って、変ロ長調という言い方をされない。
これもジャズ・ポップス系の私にはありがたい)。
他にB♭の曲ってなにかあるかしら?
(といいつつインヴェンションの14番のシ♭ドレドシ♭ ファレシ♭レを弾き)
これも明るいわよね?
Dみたいな、ヤッターみたいな明るさではないけれど、希望に満ちて、願い事をするような上品な明るさなのよ、B♭って」
ウーン、調によって気分の弾きわけまでしなければならない、とは思っていなかった。
先生、そこまで手がまわらないんですけど。
「たとえばね、『きょうはコンクールですね、私とってもうきうきしています、オーディションみたいですね!』という感じではどうかしら?」
先生、ドキドキはすると思うけどウキウキはないんじゃないんですかね?
眉をあげて弾く奏法は眉唾ものか?
先生によると、これは明るいと「思う」だけで充分効果があるそうだ。
が、さらにもう一点、オペラ歌手がやるように、佳境に達するにしたがって眉をあげるようにしたらどうか、と提案された。
ははーー、オペラはそんなに見る機会はないが、よく学生さんの合唱コンクールなどで、生徒さんが眉をあげ、眼をかっと見開いて歌ってますわなぁ。
ああいう感じ?
つまりプレリュードの最初のところでいうと、ミ♭で眉があがり、次のファ、そしてシ♭で5mmずつぐらい眉をあげていくのだ。
眉にはいろんな表現があるが、この場合「眉をつり上げる」でもないし「眉をひそめる」でもないんだなぁ。
この「眉を上げる」対策には効果があるかどうか、ちょっと「眉唾もの」である気もするのだが、簡単に試せそうなところがいいかもしれない。
あしたからさっそくやってみようっと。
そして気持ちは明るく、希望に満ちた願い事をするように。
「年末ジャンボが当たったら何に使おうかなぁ。
専属の庭師さんを雇って自分は草むしりもせずに、四季の花々が咲き乱れる庭をつくってもらい、そこでアフタヌーンティーをいただくとか。
それに甲子園のプレミアムシートを年間契約するとか?・・・」
アルマンドでの高望みはあきらめた
そしてプレリュードの次に弾くアルマンド。
こちらは前回 ♪=150 で弾いていたのだが、自分で録画をみたところ、あまりにものっぺらぼうで面白みがないので、最近では♪=170-180 で弾いていた。
それを披露したところ、
「あまりにもせわしない印象で、アレグレットではなくアレグロに聞こえる」
とのこと。
だからこちらはテンポをあげることなく、ゆったりと弾きましょう、ということで二分音符=43 で弾いてみることになった。
「ほうら、ゆったりしたでしょう?!」
そうですね。
私はできれば速いテンポでカタカタ弾きたいんですけれど、もう無理やったら仕方ないなぁ。
制限速度を守って安全運転に立ち返ります。
高望みはやめて。
身の丈の速さで。