バゲットに板チョコは貧乏人のおやつか?
ウチの夫ちゃんが好むおやつの食べ方として、バゲットに板チョコを挟んで食べる、というのがある。
バゲットは塩味、そして板チョコは甘味なので、私は塩+甘で変な食べ方をするなと思っていた(スイカに塩は除外)。
最初、夫ちゃんからはこれはフランスでは「貧乏人のおやつ」だと教えられた。
つまり、お金持ちならおやつとしてケーキ、タルト、クッキーを食べるだろうが、貧乏人は、パンが一番安いから、これにチョコレートを挟むしかない、と言うのだ。
さらに言うと、これは大勢の子どもに配るのに効率的なおやつだから、林間学校(la colonie de vacanes )でも配られ、彼が8歳で初めて林間学校に参加したときにも体験したおやつだそうだ。
パン・オ・ショコラ? ショコラティーヌ?
そしてこれはフランスのパン屋さんでも売っているところがあるそうだ。
ただ名称が、パン・オ・ショコラ(le pain au chocolat)なのか、ショコラティーヌ(la chocolatine)なのかフランス人のあいだでも意見がわかれるそうである。
パン・オ・ショコラはどちらかと言えばおおざっぱに言って、パリをはじめとしたフランスの北部・東部での用語で、南部・西部ではショコラティーヌと呼ぶそうだ。
まあ、こういったことでは私は別にびっくりしない。
例えば、私にとって「桜餅」とは関西風のものしかその名称に値しないのであって、関東風のは桜餅とは呼べない。
夫ちゃんが日本に来てからもう20年以上になるが、この「バゲットに板チョコ」が日本のパン屋さんに売っていない、と前から文句をいっていた。
彼はフランスの南西部に住んだことはないので、「バゲットに板チョコ」をパン・オ・ショコラと呼んでも良さそうなのだが、その名称ではやはり下の画像のパンを連想するようで、それなら日本のパン屋さんでもたくさん売っている。
地元有名ベーカリーで売っている人気の「チョコッペ」
ところがある日、私は写真で見た限りではまさに夫ちゃんが求めている「バゲットに板チョコ」パンを売っているお店が神戸にあることを知ったのであった!
そのパン屋さんはローカルであるとはいえ、神戸っ子なら知らぬ人はいない有名ベーカリーで、なんと48年も前から「チョコッぺ」という名称で売り出し、大変人気があるそうだ。
しかしなんだね、「ペ」とは?
いなかっぺの「ぺ」でもあるし、フランス語で「un pet(アン ペ)」は「おなら」である。
たぶんこのパン屋さんは店名からいうとドイツを意識しているので、「ペ」に抵抗はないのだろう。
お気に入りはコープのバゲット+明治ミルクチョコ
さて夫ちゃんを喜ばせようと買ってきた下の「チョコッペ」。
帯も阪神タイガース的なのが気に入った!
食べてから彼は
「これいくらだったの?」と聞くので
「210円」
「僕だったら買わない。50円くらいならいいけど」
なんでもパン生地が見た目ではバゲットではあるものの、お店の説明にもあるように、ソフトフランスという柔らかいものだったから、彼の好みではないとのこと!
まったくややこしいやっちゃ!
もうこれから絶対に買わない!
パン屋さんの名誉にもかかわるのでいっておくが、私が食べたところ、パン生地が柔らかくて食べやすく、中のチョコレートもたっぷりはいっていておいしかった。
結局彼は今後、コープこうべのバゲットに明治ミルクチョコレートを挟んで食べるそうである。
これが日本ではいちばんおいしい食べ方だそうだ。
もう勝手にして!