シューマンのアラベスクも見てもらおうと思いつく
えーと、きのうの無料体験レッスンにいったときのハナシが途中になってしまった。
とにかくこの先生は気前よく、私みたいなどこの馬の骨かもわからないヤツに、無料でスタンウェイを弾かせてくれたので、仮に「スタンウェイ先生」とする。
スタンウェイ先生にはレッスンをお願いする曲として、先日の体験レッスンのときと同じく、バッハ フランス組曲アルマンドのコピーを持って行った。
本当はそれだけで充分だと思っていたが、いろいろぐぐってみると、スタンウェイ先生は過去のリサイタルでシューマンのアラベスクを弾かれたことがわかった。
私は先月、ピティナステップでこの曲を弾き、あれ以来1回も弾いていなかった。
しかしこの曲では演奏方法で、ちょっと気になることがあったので、スタンウェイ先生の意見もお聞きしてみるのがいいかもしれないと思いつき、この楽譜コピーも用意していった。
シューマンのアラベスクでは習ったことが却下される
下はシューマンのアラベスクの冒頭部分だが、前の先生のアドバイスによると
「明るく軽い感じがでるように、スラーが切れるところで跳ねるように弾きなさい」。
ところがスタンウェイ先生は、
「ぴょんこぴょんこ跳ねないで、一つのメロディーラインを意識して弾きなさい」
ということだった。
なんか正反対やん。
しかしこれは私が前の先生のアドバイスに可能な限り忠実であろうとするために、跳ねすぎたのかもしれない。
また前の先生は、
「ベースラインが大事なので、しっかり音を出して」
と言っていた。
ところがスタンウェイ先生には、
「左ばっかり大きいから、バランスが悪い」
と言われた。
これも私のやりすぎ?
それともこういうのは単に好みの問題か?
結局は自分がいい、と思う弾き方で弾けばいいのか?
うーん、わからん。
バッハの奏法も習ったのと違う
奏法の違いはバッハでも明らかになった。
私が前の先生、前の前の先生に習ったところによると、左手8分音符は例外なく、「切る=つなげない」だったと思う。
しかしスタンウェイ先生によると、3度以上の音程差があるときのみ、切り、隣接する音が続く場合は、つなげる、のだった。
それはチェンバロという楽器のためにつくられた音楽をピアノで弾く場合に、最適な奏法は何か?という観点から考えたものであり、そうすることによって楽曲に奥行がでる、らしいのだ。
いやー、今まで「切る、切る」の一辺倒だったのが、「切る、つなげる、切る」になると、ますますややこしい。
もうバッハを弾くときは、指もアタマもフル回転なのだ。
スタンウェイ先生がオススメする教則本、しない教則本
「こちらでお世話になるとして」と私は前置きしたあと、こう尋ねた。
「先生のお教室では基礎練習として、必ずお使いになっている教則本はありますか?」
すると、別に必修というわけではないのだが、私がイヤでなければ、「バーナムピアノテクニック2」がオススメとのことだった。
バーナム?
名前は聞いたことはあるが、どんな楽譜なのかは見たこともない。
「ではハノンはいかがでしょう?」
「ハノンで使えるのは、スケールとアルペジオのところだけですね」
といいながら、スタンウェイ先生は
左手だけで
ドミファソラソファミ レファソラシラソファ と繰り返し、
「こういう練習はもう必要ありません」
「ではツェルニーは?」
「あんまり必要性は感じませんね。ベートーヴェンをやるときにちょっと、ぐらいかしら」
ふーん、困ったなぁ。
私はハノンもツェルニーも、ひょっとしてモシュコフスキー20も脇へ押しやり、バーナムを買うべきなのか?
まるで人から勧められた参考書や問題集を片っ端から揃えるようで、ちょっと気が引ける。
だって本当に勉強ができる人はあれやこれやを買ったりしないのでは?
あの才女の誉れ高い山口真由さんは、教科書を7回読んだだけで覚えてしまうのだから。
さてバーナム、どうするか?