お稽古事も買い物に近い場所を選びたいおばちゃん気質
きょうは無料体験シリーズ最後の無料体験。
大阪方面にまで範囲を拡げれば、まだまだ体験できるところはありそうだが、月に2回とはいえ、大阪までは出かけたくない。
若いころは神戸に住んでいても毎日、大阪は梅田まで通勤していた。
そしてフランス語も、神戸には当時習える場所がまったくなかったので、会社が終わってから週一回は本町や淀屋橋まで通っていた。
やっぱり元気やってんなぁ~ あの頃は。
関西では首都圏に比べると、電車の混み具合は楽勝なのに、それでももうあまり電車には乗りたくない。
今住んでいるところの両隣の市だけでもうたくさんだ。
なのにきょう、体験レッスンに選んだ音楽教室になぜ行ったかと言うと、阪急西宮ガーデンズという、大きなショッピングモールに近いからである。
お稽古事も買い物に近い場所で、という発想もいかにもおばちゃんくさいなぁ、と思うがどうしようもない、おばちゃんやし。
明るく会話のテンポがあう先生
きょうの先生はみるからに健康そうで、明るく、
「〇〇と申します! よろしく~~」
と挨拶された。
いろいろお話してみると、今まであった先生のなかでは一番、会話のテンポがあいそうである。
つまりこういうところでお会いするのでなかったら、たちまちお友達になれそうな感じだったのだ。
「でも、絶対私より若いよね~~」
と言われたが、(それはないでしょう)と思ったので、
「いや、そんなことは・・・」
と言葉を濁しておいた。
しかし世間話は弾み、先生は私のハナシに大笑いされていた(なにがそんなに受けたのかよくわからないが、受けるのは嬉しい)。
自分の欠点を正直に話す気さくな先生
きょうは前回の体験のスタンウェイ先生のときと同じ、バッハフランス組曲2番アルマンドとシューマンのアラベスクを持って行った。
受付の人から何も聞かれなかったので、私がこの曲を持参することは、先生は前もってご存じなかった。
そして
「ちょっと代わって。レパートリーにない曲だから間違ったらごめんね」
といいながら、肉付きのよい、いかにもピアニストといった手で弾いてくれた(ここもグランドピアノ1台しかない)。
確かにミスタッチは時折あるものの、実に深い、いい音を出してくれる。
「でも手が小さいから大変なのよ。
9度がぎりぎりでね。
届くには届くけれど、なかに和音がはいるともうだめで」
自分の欠点を正直に話す、気さくな先生なのだ。
練習曲は必要ない、という先生
ところでこのお友達になれそうな先生は、ハノンやツェルニーのような練習曲についてはどう思われているのだろうか?
この先生の答えは、
「わたしがあなただったら、やらない。」
と明快だった。
「ハノンやツェルニーが好きなの?」
「いや、全然。そういうわけではありませんが。」
「だったらやる必要ないじゃない。
課題の曲で、弾きにくいところや苦手なところをやってるだけで、時間なんてすぐ過ぎちゃうでしょ?
仕事してるよね、忙しいよね?
なのにまだ、ハノンやツェルニーもやるの? 時間ないじゃない?
そりゃね、『ハノンやツェルニーが大好きで、これを絶対にきわめたい!』と思うなら別だけれど」
先生はこの「きわめたい!」のところで両手を握りしめ、目を閉じていやいやをするように首を振った。
なかなか表現力のすぐれた先生なのだ。
先生と生徒はお友達が理想なのか
先生と生徒ってお友達みたいな関係がいいのだろうか?
もちろん人間同士だから相性というのもあり、相性が悪いよりいいに越したことはない。
しかし私がお友達を求めているかというと、そうでもない。
お友達はもう昔からの友達で充分まにあっており、これからは趣味のサークルにでも加入して、交流関係を増やして楽しい老後を・・・という気もさらさらない。
要するにもうお腹いっぱいなのだ。
だからお友達になれそうだ、という理由で先生を選ぶことは多分しないんじゃないかな、と思う。
まあ、わからんけど。