マリア・ジョアン・ピレシュは私の「イメージ先生」
YouTubeでマリア・ジョアン・ピレシュの「スーパーピアノレッスン/シューマン アラベスク①」の動画を視聴して以来、この曲に関しては、ピレシュを私の「イメージ先生」と想定し、練習をはじめてからほぼ2か月となる。
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私が実践しているイメージトレーニング
ここで「イメージ先生」とはなんじゃらほい?ということになるのだが・・・
これは私の練習方法のひとつで、そのきっかけは20歳のとき、初めてジャズピアノを習い始めたときからである。
当時はとにかくジャズの「ノリ」がわからなかったので、とにかくコピー、コピーの毎日だった(ここでは採譜をし、その通りに弾けるように努力することの意味)。
カセットデッキも何台か壊したが、おかげで「ノリ」については現在注意されることはない。
その数少ない成功体験(?)のせいか、クラシックでも同じようなことをやっている。
すでに楽譜はあるので、その点はラクである。
たとえば、シューマンのアラベスクはABACA+コーダという形式なので、
- まずピレシュのAの部分を聴く。
- ついでそれを脳内でイメージして弾き、かつそれを録音する。
- 自分が弾いたものを再生する。
- ピレシュと似ても似つかないところをまた反復練習する。
- Aが一応できたら、Bの部分へ移る
だいたいこの繰り返しという地味なトレーニングなのだ。
ピティナステップ申し込みの7分を超過しそう
この反復練習を最後まで繰り返してから、全部を通すとトータル時間は7分10秒ほどになることにやっと気がついた。
あれ、この曲をピティナステップのフリーで弾くつもりなんだけど、申し込んだのは7分以内のカテゴリーではなかったかしらん?
フリーでは分数別のカテゴリーで料金が変わるので、せこい私は10分の15.500円など眼中になく、7分の12,500円を選ぶことになんら迷いはなかったのである。
というまことにおおざっぱな考えからであった。
よく調べてみるとピレシュのアラベスク自体、7分7秒かかっているというのに。
念のため、ピティナステップの参加要項をよく読んでみると、
規定時間は、舞台に上がってから降りるまでの時間です。入退場・足台設置の時間も含みますので、1分弱の余裕を持ってお申し込みください。
と書いてある。
そして時間をオーバーすると、
演奏を途中でカットさせていただきます。
ともある。
え~ NHKの「のど自慢」みたいにチーンと鳴るの?
できればそれは避けたいなぁ。
ところでモーツァルトやバッハなどの演奏では、リピート部分を省略するのはよくあることだと思うが、シューマンのアラベスクでもそれは可能なのだろうか?
例えばABACA+コーダという形式のうち、Aは3回もでてくるから、2回だけにするとか?
いやぁ~ちょっと無理でしょ、それは(と思う)。
そんなことをしたらシューマンの霊に祟られそうな気がする。
「イメージ先生」をポリーニに変更
とりあえずの案として、私は「イメージ先生」をピレシュから(恐れ多くも)ポリーニに替えさせていただくことにした。
というのはポリーニの最後部分、コーダは1分1秒しかかかっておらず、淡々、あっさり味なのでトータル時間も6分24秒と、ピレシュより43秒も短いのだ。
ペレシュのコーダは1分24秒もかかっており、まるで夢の中を手探りで歩いているかのようにミステリアスでとっても魅力的なんだけどね。
私にはとても言い表せないので、ご興味がおありのかたは、ピアニスト・文筆家で知られる青柳いずみこ氏の下記記事に、ぜひ目を通してくださいませ。
【連載】シューマン「アラベスク」(なごみ 2018年4月号) | ピアニスト・文筆家 青柳いづみこオフィシャルサイト
あ、それからポリーニの名誉のために申し上げておくが、彼のシューマン/アラベスクももちろん素晴らしく、私はただイメトレとして利用させていただいているだけで、真似ができるとは毛頭思っていないので、念のため。