世良美術館でのピティナステップに挑む
世良美術館とは、画家でピアノ教師だった世良臣絵(せらとみえ:1911-2009)さんが私財を投じて作られた民間文化施設である。
ピアノと絵の才能に恵まれていた(お金にも!)世良さんは、小磯良平画伯にも師事し、自身の絵や小磯画伯の絵、そしてスタンウェイ2台も後世に残されたのだ。
この美術館については、以前にも記事にしている。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
今回のピティナステップはこの世良美術館で行われ、私は数々の名画に囲まれてピアノを弾く、という機会をぜひとも逃したくなかったので、シューマンのアラベスクを大急ぎの突貫工事で間に合わせ、弾くことになったのだ!
みなさんが弾かれた難曲に気後れしてしまった
世良美術館はウチから遠くないし、出番も午後4時頃だったので、当日は家でじゅうぶん練習する時間があった。
1時間ほど通しでひいたり、苦手な部分練習をしたりで、暗譜成功率は98%ぐらい?
このときまで私は暗譜で弾く気満々だったのだ。
しかし会場について自分の前の人たちが弾いているのを聞くと
- ブラームスのラプソディOp79-1:ワァむずかしそう、ヘンレ版の楽譜をめくりながらの熱演で時間オーバー
- ショパンのマズルカ風ロンドOp5:展開3で楽譜を見ながら弾いておられるが、もうトリルが激ムズで私なんか絶対弾けない
- ショパンのノクターンハ短調Op49-1:楽譜はみずにピアノの横に置いたまま弾いておられた。あとでお聞きしたらもう3年もこの曲を弾かれているそうだ。
「あれ、私が弾くシューマンのアラベスクの中間部は何の音から始まるのだっけ?」
と不安になってきた。
あわてて演奏の合間に自分の楽譜を確認する。
「そうだ。シドシミソミレドだよね? でも左手は?」
と今までの自信がシューンとしぼんでしまったのである!
ああ、フィギュアスケートの選手のように、他の選手がやっているときは、イヤホンで自分の音楽を聴きながら練習できればいいのにね。
初めて聞いた斎藤圭土の「永遠」
でもピティナステップは試合でもコンクールでもないから、他の人の演奏を聴くことはとても大事なのだろう。
きょうの収穫としては、斎藤圭土の「永遠」というゆっくりとした曲を弾いておられたかたがいらして、「なかなかいい曲だなぁ」と思った。
しかし私は斎藤圭土というピアニスト自体、今まで知らなかったのだ!(何たる不勉強!)
そして今、YouTubeで「永遠」という曲を探してみたがなかなかヒットしない。
それにしてもみなさん、ピアノ曲のことをよくご存じなんだねぇ。
本当に私なんかダメだ、ダメだ、もっといろいろな曲を知るためにはどうしたらいいのかしらん?
コンビニの誤発注者を助けたつもり
結局、楽譜を見て弾いたおかげで事故は起こさずに済んだ。
いいのか悪いのか。
演奏について思い出したことがあれば、また明日書くとして・・・
やはり私は演奏後、ホッとしたのだと思う。
ふだん寄らないコンビニに立ち寄り(バス停で待つのが寒すぎたから)、陳列棚にこんな手書きポップを見つけた。
お店の方が間違えて「アルボルトスパゲティ」を54個も発注してしまったので、ぜひ買ってほしい!というものである。
誤発注したのは新入りのバイトさんだろうか?
もし誤発注がもととなってクビになったら可哀そうと思ったので、このスパゲティを買うことにした。
不思議に誰かを助けてあげたい気分になったのだ。
しかしあとでレシートを確認したら600円もする商品だった。
高いなぁ。
もし私が押しの強いおばちゃんだったら、
「まちごうた人が可哀そうやから、この商品こうたげるわ。
そやからちょっと値引きしてくれてもええんちゃう?」
と交渉したであろう。
しかし私はおばちゃんはおばちゃんでも、押しのほうはまったくダメなのだ。
何もいわず、スイカでおカネを払い、家でレンジで温めて食べ
「ソースはおいしいけど、パスタはいまいちやなぁ」
と思った。
そう、事故も起こさなかったので不服は言えないが、何もかもがいまいちな一日が終わったのだった・・・