テクニック向上のために練習曲は必要かもしれない
99%の確率で村上春樹の言だったと思うのだが、どの作品だったかが思い出せないので、100%定かではない。
その言とは
「音楽家は耳がよくなくてはいけない。しかしよすぎても困る。というのは自分の演奏が(下手すぎて)聞くに耐えないから続かないのだ」
という趣旨のものだ。
私はどうやっても上手にならないなぁと思う時、いつもこれを思い出す。
しかしテクニックさえ向上すればなんとなかなるかもしれないと思い直し、日々ピアノの練習に励んでいる。
だって表現力なんてねぇ。こっちは66年も幾山河越えて生きてきたのだ。
ちょっとは自信があるんだけどな。
しかしテクニックがなくてはどうしようもない。
というわけでピアノ練習の最初の20-30分は「ツェルニー30番」「ツェルニー左手のための24の練習曲」「バッハインヴェンション」「モシュコフスキー20の小練習曲」をローテーションでやっているが、きょうはどうやってもサマにならない「ツェルニー左手のための24の練習曲」の23番についてである。
バロック好きなのにトリルが下手すぎて困る
どこかのエラい音大の先生が、
「ツェルニー30番はとてもよい教材ではあるが、左手の練習曲が少ないのが欠点。よってこれを補完するために、『左手のための練習曲』をやるとよい」
みたいなことを言った記事に感銘した私は、ときどき『左手のための練習曲』もやっている。
全体の難易度自体は30番とあまり変わらないと思うのだが、このなかの23番はトリル満載版でどうあがいても私はうまく弾けない。
では左手アルペジオとかオクターブ連打が得意かというと、そういう意味ではない。
でも私はショパンのエチュード大洋とか、英雄を弾きたいわけではないから(決して負け惜しみではないつもり)、別にアルペジオやオクターブ連打がヘタでもあんまり気にならないのだ。
しかしバロック好きでトリルが下手とは致命的ではないか?
だから絶対にトリルはうまくなりたいのだ!
「ツェルニー左手のための24の練習曲」の23番
「ツェルニー左手のための24の練習曲」の23番は、トリルだらけだが、最初のほうはこんな感じ。
弾き方はご丁寧に下段にこうある。
そして巻頭の説明文には、
「トリルは二つの音をよくそろえて、むらになったり不明瞭になったりしないように、ゆっくりした練習を根気よく重ねましょう・・・」
とある。
やってますよ!ゆっくりとね!
そして永遠にゆっくりのままになりそうなのが心配なのだ。
これはやっぱり模範演奏を聞くべきだよなぁ。
だって山に登るときも、全体の山の高さ、カタチがわからないことには登りようがないでしょう?
AIでなくて人間が弾いている動画がみたい!
そこで私はYouTube内の「ツェルニー左手のための24の練習曲」を探し回った。
しかし意外に気に入ったのがない。
ないこともないのだが、1番から11番まではあって、23番はない。
ということは1番から11番までをアップされているピアニストさんは、ひょっとして
「『ツェルニー左手のための24の練習曲』だと再生回数が稼げないから、このへんでやーめた!」と思われたのだろうか、なーんてよからぬことを考えてしまう。
困ったなぁ、と思っているとピアノロールと楽譜の画像がでてくる動画をみつけた。
23番は19~24番までの括りのなかにはいっている。
これで23番を聞いて見て、「フーン、こういうテンポで弾くのがベストなのか・・・」
と思ったけれど、そしてないよりましなんだけど、これってAIなんだよね?
人間さまが弾いているのではないんだよね!
なんかイヤだなぁ。
今のところ、私はAIなんかにピアノを習いたくない。
だからどなたか音大の先生、専門家に動画のアップをお願いできないかしら?
そしてトリルをきれいに弾くための脱力した指、手首、手の甲、腕、肘を見せてほしいのだけれど・・・