デンゼル・ワシントンが牧師に転身
あれは去年12月末ごろだっただろうか?
夫ちゃんが「デンゼル・ワシントンが俳優をやめて神父になるんだって!」と教えてくれた。
あの~、それって神父じゃなくって牧師じゃないの?とツッコミを入れたかったが、そこには触れず、へぇ~と驚いた。
ちなみに彼も私も、デンゼル・ワシントンの大ファンである。
なぜならこのかたは、正義の味方っぽい役柄が多いが、性格俳優であり、アクションもできて、なおかつ容姿も麗しい。
そして何といっても声がいい。
あの声で説教されたら、私なんぞイチコロだろう。
そのデンゼル・ワシントンが主演で、名優ジーン・ハックマンと共演した映画「クリムゾン・タイド」は私はまだ見たことがなかった。
夫ちゃんはすでに見たことがあったが、もう1回みてもいいという。
いやぁ~上映時間の2時間中、私は緊張で体が硬直しっぱなしだった。
もちろん理系オンチのためか、私には危機に瀕した潜水艦がどういう状態にあるのか、さっぱりわからない。
しかし、核ミサイル発射を強行しようとする艦長(ジーン・ハックマン)と、それに反対する副艦長(デンゼル・ワシントン)との激しい応酬、どちらかにつこうとする部下たち、そして寝返る部下たち・・・もう人間ドラマがありすぎる。
そして「私だったらどっちにつくだろう?」と考えてしまう。
まぁ、当然私だったら軍人にはならない、というよりなれないんだけどね。
「クリムゾン・タイド」のあらすじと予告編
この映画のあらすじをかいつまんでいうと、
チェチェン紛争を引き金に、ロシアの反乱軍がアメリカと日本へ核攻撃を行うと脅迫。そこでアメリカ海軍叩き上げの原子力潜水艦、艦長ラムジー(ジーン・ハックマン)が新たに副艦長としてハンター(デンゼル・ワシントン)を任命し、出動。
しかし考え方の違うラムジーとハンターは核ミサイル発射をめぐり、激しく対立する。
日本への原爆投下の是非が問われる
ラムジーとハンターの対立がまだそんなに激しくないとき、ラムジーがハンターに
「日本への原爆投下は間違っていたと思うか?」
と聞いた。
この場面でビクっとした日本人は多いと思う。
だって正義の味方のハンター(デンゼル・ワシントン)が、「あれでよかったと思います」といったら、日本での人気はガタ落ちになるかもしれないし・・・
ところがハンターは、
「もし間違っていたと思うのなら、私はここにはいません」
と答える。
なんや、ちょっとはっきりせえへん答えやなあ。
ところがラムジーは、「うまいこと答えやがったな」とばかりにフフフ、と不敵な笑みをみせ、
「ワシは広島と長崎に2回原爆を投下してよかったと思う」と言ってのけた。
でもこれがおおかたのアメリカ人の考え方なのかもしれない。
悔しいけど。
人種差別の要素もある
ラムジーがハンターをみくびる理由として、「実戦経験がない高学歴の若造」というのが主要な理由だろうが、彼が黒人だから、というのもありそうである。
その証拠に、名馬の話をしていたときに、ラムジーは「ポルトガル産のその馬は白かった」と繰り返すのだ。
しかしハンターは平然として、「その馬はスペイン産で、生まれた時は黒い」と返答する。
血気にはやった者なら、一発殴ってやりたくなる挑発なんだけど。
しかし最後の場面、その馬がポルトガル産というのは記憶違いで、正しくはスペイン産であることをラムジーは認めるのだ。
これはなかなかよい幕引きだったと思う。
核ミサイルの発射命令権限をもつのは誰?
感動さめやらぬ最後の場面、「1995年の現在、アメリカの核ミサイルの発射命令権限は原子力潜水艦長にはなく、権限をもつのは大統領だけである」とのテロップがでた。
あー、そうだろうね!
でも、ちょっと待てよ!
あしたからアメリカ大統領ってトランプさんなんだよね?
いろんな意味で大丈夫なんだろうか?
映画のラムジー以上に、攻撃的で短絡的なイメージがあるのだけれど・・・
それにしても録画したのは結構前だったのに、観たタイミングが大統領就任式前夜とは絶妙のタイミングだったなぁ。