夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

アルゲリッチのクロイツェルソナタを聴く幸せ

「クロイツェルソナタ」をいつ聴いたか

先日、私が子ども時代に繰り返して聴いたのが、シルヴィ・ヴァルタンの「アイドルを探せ」であることを書いた。

実は「アイドルを探せ」に負けず劣らず、繰り返し聴いていたレコードがあり、それはベートーヴェンのバイオリンソナタ、「クロイツェルソナタ」だった。

子ども時代、ウチには「世界音楽全集」という作曲家別で伝記、評論とその作品のレコードが付随したものがあり、それに「クロイツェルソナタ」がはいっていたのだ。バイオリニストは確か、ユーディ・メニューインだと記憶している。が、ピアニストは覚えていない。調べてみると、アマゾンで古書として売られているようだ。

バイオリン vs ピアノの「仁義なき戦い

「クロイツェルソナタ」がなぜ、そんなに気に入ったかというと、子ども時代の私はかなり想像力が強かったようで、第一楽章の、バイオリンとピアノが火花を散らすような演奏がまるで喧嘩(たぶん、男と女)のように聞こえ、どきどき、はらはら、怖いものみたさ、という気持ちになったからだ。

断っておくが、私は両親が言い争うのを聞いたことがない。近所の子どもと口喧嘩をしたこともない。それでもテレビの影響?か、私にはバイオリンの男(?)が、「何ゆうてんねん! 何をしようがオレの知ったことか!」と怒鳴り、ピアノの女(?)が、「あんたなんかサイテーやわ、もう知らん! 出て行って!!」と応酬しているように聞こえたのだ。

トルストイ作の「クロイツェル・ソナタ

長い間、これは子どもの妄想か、と思っていたが、後年トルストイがこのソナタから着想を得て、「クロイツェル・ソナタ」を書いたことを知り、驚いた。

内容は、妻と浮気相手がクロイツェル・ソナタを合奏したのをきっかけに激情した夫が妻を刺し殺す、といったもので、私の妄想もあながちはずれてはいなかったということではないか!

 

人間アルゲリッチに魅了させられる

このクロイツェルソナタが最近はYouTubeで聞けるのが嬉しい。それもアルゲリッチだけで、バイオリンがギドン・クレメールとルノー・カピュソンの2パターン!

アルゲリッチについては、20世紀を代表するピアニストなので、以前からそれなりに(?)敬服していた。

しかし、彼女の三女、ステファニー・アルゲリッチが撮った映画「アルゲリッチ私こそ音楽!」を観て、その天衣無縫な人間性にすっかり魅かれてしまった。この映画についてはもう一回見て、ちゃんとした記事を書きたいと思うのだが。

映画『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』| 公式ページ | CineRack(シネラック)

 

www.youtube.com