「晩夏(ひとりの季節)」とは?
ユーミンの「晩夏(ひとりの季節)」は、1976年に発表された、アルバム「14番目の月」に収められている曲で、たぶん私のなかのユーミンベスト3に入る曲だ。
(といってもユーミンの曲を全部知っているわけでもないし、特に最近の曲はまったくといってもいいほど知らないのだが)
この曲の何がいいかというと、聞いただけで色、色、色が頭の中に浮かんでくることだ。
葉鶏頭の赤、コスモスのピンクや白、そして空の色の描写がすばらしい。
空色、水色、藍色、群青、茜(あかね)、紅(くれない)、紫・・・日本語ってこんなに美しかったのだ、とつくづく思う。
ちなみに私はこの曲を、アルバムの中の収められている曲としてではなく、NHK銀河テレビ小説のテーマソングとして知った。
NHK銀河テレビ小説について
Wikiによると、1976年8月に放送された”ふるさとシリーズ"のドラマ「夏の故郷」と「幻のぶどう園」でシリーズ共通のドラマ主題歌として使われた、とある。
あー、あの頃テレビをよく見ていたんだな。今のように、私がほとんどテレビを見なくなる時代が来る、なんて想像もしなかった。
NHK銀河テレビ小説の放送枠は、私の記憶が正しかったとすれば、21:40~22:00だったと思う。
残念ながら、今ではストーリーは忘れてしまったが、朝ドラみたいに「明るく楽しく」ばっかりではなかったのが、私の好みだった。
夏の終わりはお祭りの終わり
毎日のように、「晩夏(ひとりの季節)」をドラマ主題歌として聞いていた頃、私は大学2年生だったということになる。
今思えば、受験期の反動からか、大学1,2年は毎日がお祭りみたいだった。ところが、3年生ぐらいから将来のことやなんやかんやで、それほどバラ色でもなくなってくる。
大学2年の夏はこれから始まる暗雲たちこめる時代を予感してか、「晩夏」の歌詞が身に染みた。
夕暮れの空の色が時間とともに移ろっていくように、これからは淋しい?寂しい?季節が始まるんやなー、と漠然とした不安な思いを抱いたものだ。それ以来、夏も終わりに近づくとこの曲が聞きたくなる。
うまく弾ける自信がなかったので、これまでまったく弾いてこなかったこの曲だが、別にうまくなくてもいいやん」というのがあれから45年もたった今の心境なのだ。
【自撮動画】「晩夏(ひとりの季節)」を弾いてみた
ややもすると、単調でつまらない演奏になってしまいそうな不安から、サビのところをどうしても盛りたくなる。でもヘタに盛るとこの曲の良さが台なしになってしまう。
要するに、綺麗な音で弾けるといいのだな。むずかしいなー。
とりあえず、今年の夏はこれまで。